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2024/11/22

  • 中学校生活レポート

学園一貫健康教育プログラム 体組成・骨量測定(2024/11/22)

「日本女子大学学園一貫健康教育プログラムの開発と効果検証研究~中学生の結果説明会~」

附属幼稚園から大学までの共同研究で実施しているこちらの研究では、心身の健康状態と食生活の関連を調査し、子どもたちが健康的な食生活を実践できる力を育む食育プログラムの作成を目指しています。その中の一つとして、骨の成長期である中学生の体組成・骨量測定や食生活アンケートを行っており、今年度の結果について、説明会と講演会を行いました。

まずは、体組成・骨量の測定結果シートの内容の説明です。
体組成とは「身体が何からできているか」を表しており、筋肉、骨、脂肪、水分に大きく分けられます。体を健康に保つためには、体組成をバランスよく保つことが大切です。特に骨量は小学生からぐんぐん成長し、20歳くらいまでに一生のうちで最大の骨量となり、やがて閉経する50歳ごろから少しずつ減って骨が脆くなっていきます。骨が脆くなると骨折しやすい状態である「骨粗しょう症」になります。その予防には、中学生や高校生の成長しているときに、骨を丈夫にする栄養素が多く含まれる食べ物を積極的に食べ、体を動かし、骨量を増やすことが大切です。
測定結果シートには、栄養・食生活の工夫や骨を丈夫にする栄養素の説明もあり、参加者はメモをとって真剣に聞き入っていました。

次に、本学人間社会学部心理学科 塩﨑尚美教授による「自尊感情とボディイメージを中心としたセルフイメージについて」のご講演をいただきました。
自尊感情は11歳頃から低下し始め、12~13歳(特に中学2年生)で最も低くなると言われています。
小中学生の時期は、自尊感情に影響を与える要因が、親の承認から仲間からの社会的受容へと変化していきます。特に中学生では、周囲からどのように見られるかが自尊感情に影響を及ぼすため、他者の評価やメディアの影響を受けやすくなります。
時代とともに「あこがれの体型」は変化してきており、現代ではすっきり細身の体型が女性のあこがれの対象としてメディアで取り上げられているので、女子に大きな影響を与えていると考えられます。
本校のアンケート結果では、自尊感情が高め(自分に対して肯定的)な回答が多かったものの、他の年代よりも自尊感情が低下しがちな時期のため、体型を含めて「今の自分を認める、受け入れること」が自尊感情を高くするために大切です。
中学生にとっては、ありのままを受け入れるというのは目からウロコのアドバイスだったようようで、衝撃を受けたと感想を寄せている生徒もいました。

最後は、心と体の成長や栄養について専門的な研究をしている先生方に、結果シートの内容に関して直接質問しながら詳しく相談する個別相談会も実施しました。

中学生にとって、「将来の健康のために今できること」を考える貴重な機会となりました。