コンテンツ

2024/03/19

  • 校長より

「新しい明日へ」(2024/03/19)

 昨日は卒業式を行い、今日は終業式でした。
 毎年のことではありますが、3学期は1・2年生だけの、3年生がいない寂しさを噛みしめる終業式となります。
 何となく心細そうな、頼りなげな1・2年生の顔を見ながら、これがあと20日もするとすっかり2・3年生の顔になって、堂々とした雰囲気で始業式を迎えることの不思議を感じていました。

 終業式でも話したことですが、卒業式での3年生の言葉は本当に心打たれるものがあります。「知る喜び」を追求する時間が自分を自立した存在へと導いてくれること、見返りを求めたり他者の評価を気にするよりも「自身の充実」こそが日々に彩りを与えてくれること。そして繰り返された「自分が満ちていく」「満たされている」という言葉が、揺るぎない自信と充実感を表していたと思います。大きな行事や印象的な出来事だけでなく、「記憶の片隅に仕舞い込んだ小さな言葉や行動も含めた全てのことが連鎖して、自分自身が創られている」という内容が心に残りました。
 卒業生の言葉は、いつも私を初心にかえらせてくれます。生徒たちの3年間の成長の速さと大きさに驚くと共に、その成長に寄り添えたことが歓びとなり、私自身を「満たして」くれるのです。教員という仕事に就いたことを改めて誇りに思い、「生徒に負けないように私も頑張ろう。今日よりも一歩でも前に行けるように努めよう」と気持ちを新たにする卒業式でした。

 また、今日の終業式では、この3月でご退職になる先生方のお話がありました。非常勤講師を務めて下さった卒業生は、本校の「話し合い」を大事にする教育と、他者の意見を受け止めようとする気風が「何でも話せる」一生の友人へと繋がっていることをお話しくださいました。卒業生らしい温かなお話でした。美術科の専任の先生は、美術の道に進んだ経緯をお話になりながら、「幾つになっても、人は成長できる。才能があるから絵を描けるのではない、絵を描き続けるなかで才能が形づくられていくのだ。」という力強いメッセージを下さいました。この言葉で勇気づけられた生徒は(教員も!)たくさんいたことでしょう。私たちの学校は、先生方も生徒たちも皆自分の言葉で語るからこそ、心に響くのだと思います。先生方、本当にありがとうございました。

校長 野中 友規子
  • 卒業式
    卒業式
  • 退任者の挨拶
    退任者の挨拶