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2023/09/05

  • 校長より

「夏の思い出」(2023/09/05)

 本日、始業式が行われ2学期がスタートしました。
 始業式では生徒会議長の話の他に、7月末に行われた1年生の「軽井沢三泉寮生活」の報告や、8月末から出かけた3年生の「選択校外授業」各コースでの学びの発表がありました。本校では、始業式や終業式の折にこうした生徒からの発表が行われ、全校生徒に向けて自分の思いを述べる機会がたくさんあります。聴いている生徒たちも、自分の体験と重ねながら友達の言葉に耳を傾けるのです。大勢の生徒たちの心の重なり合いを感じる、この空気感が私は大好きです。

 また今日は生徒会総務の生徒たちが主催する朗読会も行われました。原爆で命を落とした、広島第一中学校の遺族の手記『星は見ている』を、オーデションで選出された生徒たちが心を込めて朗読しました。夏休みに集まって練習を重ねた成果が出ていて、胸に染み入る朗読会でした。十月祭でも発表を行う予定ですので、たくさんの方に見て頂ければと思います。
 夏休みにはクラブ活動の他、委員会活動や広報のお手伝い、サマースクール、プログラミング講座、英語の交流プログラム、そして今回の朗読劇の練習など様々なことに参加して頑張る生徒たちの姿があり、もちろん全校生徒が登校しているいつもよりは静かな学校ですが、それなりに活気のある日々でした。また、学外でも家族の方と旅行に行ったり、花火大会やお祭りに参加したりと、コロナ前のような楽しい夏を味わえたのではないでしょうか。

 この夏、私はたくさんの生徒から暑中見舞いのお便りを頂きました。そこにはいろいろな夏の過ごし方が書かれていて、出かけた先の絵葉書で様子を知らせて下さるものもあり、生徒たちの生き生きとした姿が目に見えるようでした。普段は私もメールなどで連絡のやり取りをすることが多いのですが、季節ごとのこうしたお手紙や葉書は特別な感じがして、とても幸せな気持ちがします。年賀状などはたくさんの方に出すので印刷してしまうのですが、夏のお便りは手書きで出します。頂くお葉書も手書きの文字がほとんどで、それも相まって嬉しい気持ちが膨らむのです。お返事を書く時も、この方にはかわいらしい絵柄がいいかしら、とか少し大人っぽい桔梗の花にしようなど、相手の方に合わせて葉書や便箋、切手などを選ぶのも楽しいものです。SNS等、不特定多数に向けての発信は、どうしても送る側の思いのみに偏ってしまいがちですが、手紙は一通一通、その相手のことだけを考えて時間を過ごす、というところが魅力的だと思います。近頃は少しずつ失われていく慣習ですが、手紙を通した心のやり取りはいつまでも残っていて欲しいと感じた夏でした。

校長 野中 友規子
  • この夏生徒たちから届いた暑中見舞いの一部
    この夏生徒たちから届いた暑中見舞いの一部
  • 生徒会主催の朗読会
    生徒会主催の朗読会