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2022/05/07

  • 校長より

「若葉萌える森で育つ…」(2022/05/07)

 4月新生活の緊張をほぐすように連休を過ごし、英気を養った生徒たちが再び元気に登校してきました。
 その連休中には、2つの学年行事とPTA総会がありました。もちろん通常授業も着々と進んでいます。
 5月2日は1年生が目白の大学キャンパスに出かけ、創立者成瀬仁蔵先生の墓前で決意を表明しました。半数以上は、目白キャンパスに初めて訪れる生徒達、連休中とあって保護者の方が見学も兼ねてご一緒くださる姿もちらほら。歴史ある成瀬講堂の壇上で大きな成瀬先生の胸像に見守られながら生徒たちに話すのは、校長と言えども中々に緊張する時間です。三綱領はじめ創立者の教育思想を説くと共に、ゆっくりと友人に出会い一人一人のペースややり方をお互い尊重して、クラスの力、自分たちの力で「学びたくなる授業」を作っていくのが本校の在り方だと伝えました。校風に導かれて自分を育てられると共に、個々の存在が確かに校風を作っていくことを実感し、自分を大切に活かす生徒たち一人一人であってほしいと願います。
 5月7日、本来は授業参観・PTA総会・学年クラス懇談会と朝から濃密な一日行事でしたが、密を避けるため今回は、午前中の登校は3年生のみ、保護者の皆様には午後からのPTA総会と懇談会にご来校頂きました。ご来校いただけたPTA総会は3年ぶりで、保護者の方々がお互いにお顔をあわせてご挨拶できる大切さを思いました。
 3年生の授業は、「社会と私」の学年テーマの下、快く手を挙げてくださった保護者有志の方々にクラス単位でお話を伺い、大人になるということ、職業、女性のキャリア等、様々に将来について考える時間でした。「中学時代に、色々な文章に触れボキャブラリーを豊かにしてほしい。なぜなら言葉の限界が思考の限界となる、語彙力が自己の能力と直結するから」「仕事をする醍醐味は、社会と関わり他者との関わりの中で、自分とは何者なのかを見い出せること」「大人になることは自分で稼いで自由を手に入れること」「学生時代に楽しいと自分が感じること、夢中になれることを見つけてほしい。他者とどう関わるかを学んでほしい」「社会に出て会社で皆の意見を聞きアイディアをまとめて形にしていこうとする時、学校で学び訓練してきたことが活きている」「大人になることは楽しい。今をがむしゃらに取り組めた人が、大人になって大人になるデメリットをメリットに変えていけるのです」「既に明日の人生は今始まっている。今が明日に繋がっている。けれども明日はいくらでも意志を持って変えられるのです」「大人になったと思えたのは子供を産んだ時」「会社で大変なこと辛いことがあっても子供の寝顔をみれば元気になる」等々、私が6クラスを回りながら伺った短い時間だけでも、我が子たちに向けた大人の応援が次々に話されました。
 こうして、我が子へ、我が親からだけでなく、沢山の娘たちに先を歩む大人たちとしてお話しいただけたことこそ、本校らしい行事です。コロナ前のこの授業が復活できたことの幸せをしみじみ感じました。ご協力くださった保護者の皆様に心より感謝申し上げます。若葉萌える森の中で育つ生徒たち娘たちを、今後ともどうぞ温かくお導き下さいませ。ありがとうございました。

 校長 椎野 秀子
  • 3年生 「社会と私」ディスカッション
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  • 1年生 成瀬先生の墓参
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