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2022/04/05

  • 校長より

「春があなたを祝福しています」(2022/04/05)

 春の嵐にソメイヨシノを見送って、いよいよ新年度。今週末には始業式そして入学式を迎えます。新入生はじめ生徒たちが元気に集ってにぎやかになることでしょう。西生田の校地は、次の桜八重桜の蕾も膨らみ、生徒達の登場を心待ちにしています。
春休みの間、3年生のリーダーたちは新年度の準備に余念がありません。生徒会総務は今年度生徒会基本方針案を喧々諤々話し合って生み出し、新入生を迎える準備や生徒総会の企画を重ねています。十月祭行事委員も生徒が一丸となれる基本方針案を考え、教員にプレゼンしては再考を繰り返します。自らの考えを伝えあう力、他者の意見を受けとめて時間をかけて話しあう本校生徒の力が、基本方針の土台を醸成し説得力を生み出します。そのそれぞれの懸命な活動を美しく見守る春爛漫の桜でした。「今日はこれで終わり!」と生徒玄関から飛び出した生徒たちが、降る花びらに歓声を上げて走り出しました。その様子を3階の窓から眺めながら、春のエネルギーが立ちのぼるのを確かに感じた次第です。

 ロシアによるウクライナの戦争は私たちに、戦争を止められない人間の愚かさや政治体制の怖さをまざまざと知らしめました。誰もが他人事にできない「今日の世界の現実」を突き付けられました。戦争が起こっていくメカニズムを、どうしたら回避できるのか、人類は文明発展と共に進化しているはずなのに・・・・我々に何ができたのか、これから何ができるのか、問題の深刻さと重大さに「憂う春」となりました。

 しかしだからこそ私は、生徒のあなた方から立ちのぼるエネルギーを信頼し、頼りにしています。話し合うこと、考えること、知恵を出し合うこと、そして認め合うこと、そこから作り出せるものを信じること。今年度も私たちの学校が大切にしていきたいことに全く変わりはありません。あなた方生徒一人一人のそのエネルギー、本校で育てていくこと一つ一つの積み重ねが、今年度も学校生活を納得のいくものにし、更には、あなたが未来を拓いていく大きな力となります。
 厳しい現実を他人事にせず見つめ尽くすこと。それと同時に、自分で自分たちで考えることを諦めないことです。さあ、学校の新しい一年が始まります。夢を忘れずに希望を持って皆で歩き出しましょう。春があなたを祝福しています。皆さん、今年度もどうぞよろしくお願いします。

 校長 椎野 秀子
  • 基本方針案の話し合いも大詰めです
    基本方針案の話し合いも大詰めです
  • マスクの下は笑顔いっぱいです!
    マスクの下は笑顔いっぱいです!