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2021/06/14

  • 教員リレーエッセイ

【6月】ヴァイオリン

私のヴァイオリン
私のヴァイオリン

ヴァイオリンと触れ合う皆さんは弦楽器のどんなところが好きですか?木の温もりを感じる中にも華やかさ・力強さを秘めるヴァイオリン、小さな楽器から生まれ出る多彩な音の可能性は無限大です。楽器ひとつひとつに、そして4本の弦それぞれの声質にもしっかりと個性があり、奏者によっても音色が変わる奥深い芸術の世界…。日々の授業で『今の皆さんにしか鳴らせない豊かな音』に触れられることを私はとても嬉しく思っています。

写真は私の大切な大切なヴァイオリンです。物心ついた頃からいつも一緒に歩んできたヴァイオリンは、私の笑顔も涙も全ての感情を身体のいちばん近くで支え音にしてくれた、言わば音楽家人生のパートナー。夢だったオーケストラとの共演や仲間との室内楽、何より演奏に悦びを感じたオペラ公演…、悔しくもコロナが広まり世界は変わってしまいましたが、この楽器と全力で歩んだ道のりは本当にかけがえのないステキな人生でした。
この先もずっと演奏をして生きていくものだと思っていた私にとって、ご縁あって教員の道を歩むことになるとは、人生何があるか分からないものだなぁ!と感じるこの頃です。男子校で教育実習を経験した時にはとてもとても想像できなかった生き方ですが、色んなまわり道をして辿り着いた今、これまでの全ての経験は必ずどこかで花開くと強く思うようにもなりました。私を育てて下さった今は亡きヴァイオリンの恩師たちも、空から私と皆さんの出逢いを喜んでくれている気がしてなりません。

一度きりの自分の人生、皆さんにどんな未来が待っているか楽しみですね!将来の自分が自ら選んだ道を幸せに歩みゆくために、ぜひこの多感で豊かな中学生時代、色んなことに挑戦しまくる皆さんでいて下さい。そしてヴァイオリン音楽が皆さんの心を『しなやか』で『おおらか』に育む存在となりますように…演奏を楽しむ気持ちを大切に、また授業でお会いしましょう。

音楽科 矢沢