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2022/03/13

  • 校長より

「この1年間の学びの確かさを胸に…」(2022/03/12)

 3月はこの1年間の学びと成長を確かめるように、締めくくりの行事が続いています。
 今週9日には、年間研究発表会がありました。中学3年生に「中学生の卒業論文」として年間研究を課して、早30年以上。初めは3年生だけで行っていた発表会も、今では全学年が聞き手です。2年ぶりに3学年が大ホールで一緒に聞く発表会の企画進行はもちろん3年生ですが、今年は「はじめの言葉」から、下級生に「そもそも年間研究とは」を説き、その意義と楽しさをしっかり引き継いでいってほしいという願いに満ちていました。年間研究のテーマは自由に自分で選びますが、その「種」は各人の今まで選びとってきた興味と関心事の中に以前から芽吹いていることが多く、年間研究を機に、研究としての方法が構築され9カ月かけて形になります。そして卒業後高校生となっても、今回のテーマを発展させ研鑽を積んでいく人も多く、それがやがては大学選択・学部選択・そしてその先の職業選択に細く長く確実に繋がっていくようです。なぜなら自分の「好き」を極めてテーマが生まれているからです。「おわりの言葉」でも、「好きを極めた自分作り」が厳しい世界を打開する力になるという熱いメッセージが語られました。
 この発表会は年間研究と英語のスピーチが交互にプログラムされ進行します。今年の英語スピーチもそれはそれは見事でした。この1年間英語の授業ではPBL(問題解決学習)に取り組み、SDGsのテーマの下、フィンランドやハワイの生徒たちともオンラインで意見交換して考えを深め、その後はCSR(企業の社会的責任)についても考えをまとめてスピーチを重ねてきた3年生の積み重ねが見事に結実した姿に、ほれぼれしました。
 翌10日は生徒総会、送別会。私は最初の学年発表をいつも楽しみにしています。各学年1名がきりりと「である調」で語る一年間の、失敗や悔しさを含めた成長の姿には心打たれます。1人の語る赤裸々な実感を全校生徒で共有できることがうちの学校のすごさだと誇らしい思い。その後の各部署からの活動報告の中でも、やはり生徒会総務の発表は格別です。自治活動の中心にあって、何とかより良い学校生活を実現するために知恵を絞り話し合いを深め、理想の具現化を図って地道に努力を続けてきた総務メンバーの言葉は誠実な説得力で伝わります。来年それを引き継ぐ新総務のフレッシュでやる気に満ちたメッセージ発表もとても力強く、期待が膨らみました。
 3年生総務の1人が自分たちの発表を終えて、客席に戻り、新総務や新旧十月祭の発表を聞きながら、涙が止まらない様子。精一杯やり遂げた達成感、まだまだやり続けたいような心残り、新総務への期待と満足、押し出されてしまうような寂しさ、きっと悲喜こもごも溢れる涙でしょう。毎年こんな思いを抱きながら、3年生は1・2年生にこの場を託して卒業するのです。3年生、本当によく頑張りました。学びの確かさ、お見事でした!どうぞ、卒業式は堂々と晴れやかに、笑って旅立ちましょう!

 校長 椎野 秀子
  • 年間研究発表会
    年間研究発表会
  • 生徒総会 総務からの発表
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