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2022/02/02
- 中学校生活レポート
成瀬先生告別講演記念講演
成瀬先生告別講演記念講演
「赤ちゃんから見た視覚世界」 金沢 創 教授 (日本女子大学 人間社会学部 心理学科)
1919年1月29日は本校の創立者成瀬仁藏が自らの死期を悟り、成瀬記念講堂(目白)において自身の病気と日本女子大学の未来について「我が後継者に告ぐ」というテーマで告別講演を行なった日です。毎年本校ではこの時期に「成瀬先生告別講演記念講演」を行っています。当日、本校はオンライン授業を実施していたため、セーラー服に白ネクタイをつけて生徒は自宅から講演会に参加しました。3年生による奏楽 ラフマニノフ作曲「鐘」 の演奏の後、日本女子大学 人間社会学部 心理学科 金沢 創 教授 より「赤ちゃんから見た視覚世界」というテーマで講演が行われました。
先生は発達科学を専門とされていて、赤ちゃんの発達を調べて脳と心の育ち方の研究をされています。
講演では赤ちゃんの見ている世界について教えていただき、そして先生の御研究とそこからわかったことを伺いました。 ニューロン(脳神経細胞)やシナプスから説明は始まり、選好注視法、コントラスト感度等今まで知らなかったことをわかりやすく説明していただきました。生徒達はわくわくする研究の世界を知ることができ、大変貴重な時間を過ごす事ができました。
生徒の感想
私は今回の講演の中で心に残ったことが2つあります。
1つ目は赤ちゃんも物事を処理できているということです。私にとって赤ちゃんは、なんだか捉えにくい不思議な存在のように感じていましたが、赤ちゃんの一つ一つの行動にも意味が存在しているということがわかりました。キョロキョロしている好奇心旺盛な赤ちゃんは、見ているものを把握できているからこその行動なのだと言うことを伺い驚きました。また約半年、年齢が異なるだけで物事を処理する速度が大きく異なると言うことにも驚きました。
2つ目は赤ちゃんはコントラストが高いものが好き、と言うことです。脳が発達し大人に近づいた私達中学生が好きになるものはそれぞれの好みが深く関係していると思いますが、赤ちゃんが手に取りたがるようなものは皆、色がくっきりしているものや、コントラストが高いものであるということがわかり驚きました。
今回のお話を伺って私が最も大きく感じた事は、赤ちゃんの行動は全て理にかなっているということです。先ほども言ったように以前、私は赤ちゃんに対してつかめない不思議な印象を抱いていましたが、赤ちゃんの一つ一つの行動が全く不思議なのではなく、深い意味が存在しているのだということがわかりました。また常に変化する世界に生きていることこそが、私達が成長して大きくなる醍醐味なのではないかと思いました。
今回のお話を単に知識として頭に入れるのではなく、赤ちゃんを見かけた際になぜこのような行動しているのだろうか?と疑問を抱き今回学んだことを活かしていきたいです。
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3年生による奏楽 ラフマニノフ作曲「鐘」 -
椎野秀子校長より、告別記念講演についての説明と金沢先生の御紹介がありました -
金沢先生のスライド -
金沢 創 教授 (日本女子大学 人間社会学部 心理学科) -
テラーカードを使って赤ちゃんの視力検査をなさっている金沢先生 -
最後に3年生による感想の発表がありました。(本文参照)