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2021/12/15

  • 校長より

「12月の幸せ」(2021/12/15)

 このコーナー「校長より」とも、1か月以上ご無沙汰してしまいました。附属一貫校である本校にとって11月は、来年度に向けて附属豊明小学校や附属高等学校との様々な連絡や行事があり、真剣で忙しい月でした。
 一方、受験を希望してくださる方々には、入試解説会をはじめ校舎見学会等も続きましたが、生徒たちの様子をしっかりご覧頂けたことが何より幸せでした。受験生の皆さん、どうぞ2月のその日まで、くれぐれも健康に注意して、力を伸ばしてくださいませ。
 そして2年ぶりに、保護者の皆様にも授業参観にお越し頂けました。コロナ禍の参観は、予め細かく参観日や時間を振り分けての実施でしたが、皆様のご協力でスムーズに実施でき、学校での真剣な学びの様子を見ていただくことが出来ました。保護者の方々から頂いたアンケートの嬉しいご意見に励まされると共に、貴重な御指摘を今後の授業に生かしていきたいと教員一同真摯に受け止めました。本当にありがとうございました。

12月に入って先週、クラス合唱とバイオリン演奏の学年別音楽会も、達成感を味わいながら無事に終了しました。そして今週は、生徒面接と保護者面接です。2学期を締めくくる面接は、書きまとめた今学期の反省を基に、クラス担任が生徒一人一人と話し、ご希望の保護者とも面談します。面接日の校務センター(教員室)は、朝から窓口の職員と奥に座った校長の私だけがお留守番役、みんな早々に教室に出向いて、面接や教科の補習をしています。面接では、学期成績の数字も資料のひとつではありますが、一番大切なのは、「生徒自身がこれからの生活への抱負を育てること」だと思っています。意欲を持ってやりたいことがあること、やりたいこととやらねばならないことのバランスが工夫できること。中学生の一日は大変忙しく、喜びと悩みに満ちています。その複雑な中学生、生徒一人一人と話していく面接の中で、その生徒の表情が輝く一瞬があれば、担任は安心して面接を終えます。短時間でも、あなたのことを共に考える、あなたとだけの時間なのです。面接の進行する教室を眺めながら廊下を歩くと、面接前後の生徒たちが掲示物を眺めたり、冬休みの宿題に取り組んだりしながら、場面に応じた小さな挨拶を交わしてくれます。落ち着いた幸せな時間だなあとしみじみ思いました。

 今週末・土曜日には2学期終業式を迎えます。全校生徒との式では、何かしらの本を紹介しながら、生徒たちが自分の将来や世界のことを考えていける話がしたいと思います。最近出会った本の心に残る一節を紹介できればといつも思っていますが、今回は出版された小説の言葉よりも胸に響く言葉がありました。学校生活の中で発表された生徒の言葉です。この終業式では、その文章を全校生徒で聞き味わいながら、中学校生活と生きることについて考えていきたい。そう思って、校務センターでお留守番をしながら、草稿をまとめている次第です。2学期の終わりは12月、2021年の終わりでもあります。冬休みを迎える前の一年の終わりに、生徒と共にある終業式は、私にとって、12月の幸せです。