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　私の毎晩のミッションは、我が家の子どもたちの音読を聞くことです。国語の教科書の読みを数ページ聞き、カードの「正しく読めた」「気持ちを込めて読めた」などの項目にチェックを入れる、5分もかからない宿題です。しかし、この5分間は思いがけず自分の感情が揺さぶられる時間でもあります。心温まる物語に幸せを感じる日もあれば、涙が出そうな寂しく悲しい時もあります。懐かしい文章を通してふと自分の子ども時代を思い出したり、中学校の授業とリンクするような内容に出会うこともあり、そんな時には音読カードを返しながらこどもとあれこれ話をしたりします。この毎晩の5分間は、私にとって仕事と家事を離れ、“心が柔らかくなる”時間なのです。
　自分の授業でもテキストの音読は毎回行っています。正確に読むことはもちろん大切にしていますが、読んでいくうちにクラスが内容そのものの面白さに引き込まれていく瞬間がとても好きです。思わず出てくる感想をみんなで共有する時間はなんと楽しいことでしょう。今は新型コロナのこともあり、「大きな声で元気よく！」とまでは言えませんが、それでも生徒と一緒に音読し、心を自由に羽ばたかせる時間を大切にしていきたいなと思っています。