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2021/10/10

  • 校長より

十月祭「十月祭って、サイコウ!でした。」(2021/10/10)

2年ぶりに生徒がお互いの活動を内覧し保護者の皆様にもご来校頂いて、十月祭が幕を閉じました。
本校の文化祭は「日頃の研究発表の場」であり、クラブ活動を軸に、教科や委員会活動等日常の取り組みの発表で構成されます。加えて全員が係も受け持つので、一人一人の生徒の活躍の場面が沢山あり、一人の生徒の多面的な姿が浮かび上がってきます。それが最大の魅力だと私は思います。今年はまだまだ全開とはなりませんでしたが、保護者の方々が本当に熱心にご覧くださってありがたかったです。

今日は、私が見つけた十月祭の一コマをお届けします。
生物クラブのラットの解剖には立ち会えませんでしたが、それを実物投影機で映しながらの説明を聞けました。説明に合わせピンセットで各臓器を持ち上げながらスクリーンに映していきます。その手際の良さと言ったらありません。突然の質問にも見事に応える1年生の説明に合わせ、3年生が薄い臓器膜まで伸ばして見せてくれます。この真剣な解剖実演に命の尊厳を学ぶ姿勢を強く感じました。
毎年楽しみにしている2年生の自画像は、時代を反映してマスクの上の目の描写。大きく切り取られた目の瞳の中には、見つめた風景まで描き込まれています。その絵に添えた文章の一つに「私だからこそ描くことのできる感情を表現しようと意識した。描き進めていくうちに、光、陰と共に表情が出てきて、鉛筆だけで描いた絵で感情を読み取ることが出来たことに感動した。また。目は日ごとに表情が変化している。日々違う目を描いた私の作品は私に自分と向き合わせてくれた。自画像は上手に描くこと以上に、自分とは何なのかを考え、自己を客観視することで、自分らしくあれることのありがたさを感じることが大切なのではないかと思った」とありました。わが校の様々な掲示物は生徒たちの心の宝箱だとつくづく思います。

私は演劇部の顧問ですが、大学生になった部員OGのお母さまから伺った話。
「先日2人で歩いていたら金木犀の香りが漂ってきたんです。そうしたら娘が、金木犀は十月祭の香りなんだあって言うんです。そんなこと初めて聞いたんですけど、ずっと中学生だったあの頃の休日練習や十月祭迄の日々とあの香りが繋がっているんですね」と。それを聞いて、彼女が2年生の時、焦る3年生の理不尽な物言いに悲しくなった2年生達皆がぐずぐず南ホールに残っていたので、「ワアア!イヤダッタア!」と思いっきり大声で叫ばせてから帰したことも思い出しました。心のいざこざも達成感も全部ひっくるめて十月祭は甘い香りの金木犀の思い出として記憶に残っていることでしょう。

2年ぶりに生の交流が出来た十月祭、やはり十月祭は最高でした。

  • 生物クラブ ラットの解剖
    生物クラブ ラットの解剖
  • 2年生 自画像
    2年生 自画像