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2020/09/19
- 教員リレーエッセイ
【9月】Metamorphose—変容

私は中学生と高等学校3年生に美術を教えています。
1学期はリモートやクラスを分割しての授業でしたが、
2学期が始まってやっと、美術室や工芸室でクラスごとの授業ができるようになりました。
2学期最初の授業に、生徒は自宅で長い時間をかけて
自分と向き合って描いた作品を持って来て、念入りに最後の仕上げをしたのでした。
2年生は毎年「自画像」に挑戦します。今年も深く自己を見つめた作品が誕生しました。
高等学校3年生で今年度美術を選択した生徒が、5月に美術を選択した理由を書いた文に
中学2年生の時に「自画像」を描いて感じたことを書いてくれています。
「私は上手く絵が描ける訳ではなく、むしろ下手な方だ。
それでも美術を選択した理由は、絵を描いている時間は無心で一つの物と向き合うことができ、何か1つの作品を描く過程で自分の中で何かが変わっていくのを感じるからだ。
1つの絵を描くにはそれなりに長い時間を要する。その時間で様々なことが自分の身に起こり、変化していく。その変化が絵に現れるのが私は面白いと感じた。
初めてそう思った作品が、中学の時に描いた「自画像」だった。それまでは特別絵が好きな訳ではなく巧拙に目が向き、むしろ上手く書けないという理由で美術が嫌いだった。しかし「自画像」を描いている時に、ただ自分の顔を写しとるだけでなく、その目の奥にある自分の感情も表現したい、と思うようになった。
その時から美術が楽しいと感じるようになり、巧拙ではなくそこに込める意志が重要なのだと感じた。絵は自分自身の等身大だと感じるようになった。」
(附属高等学校3年生 N.Tさん)
それでも美術を選択した理由は、絵を描いている時間は無心で一つの物と向き合うことができ、何か1つの作品を描く過程で自分の中で何かが変わっていくのを感じるからだ。
1つの絵を描くにはそれなりに長い時間を要する。その時間で様々なことが自分の身に起こり、変化していく。その変化が絵に現れるのが私は面白いと感じた。
初めてそう思った作品が、中学の時に描いた「自画像」だった。それまでは特別絵が好きな訳ではなく巧拙に目が向き、むしろ上手く書けないという理由で美術が嫌いだった。しかし「自画像」を描いている時に、ただ自分の顔を写しとるだけでなく、その目の奥にある自分の感情も表現したい、と思うようになった。
その時から美術が楽しいと感じるようになり、巧拙ではなくそこに込める意志が重要なのだと感じた。絵は自分自身の等身大だと感じるようになった。」
(附属高等学校3年生 N.Tさん)
中学校に入学した小さな1年生は、3年間の学びを通して自己と向き合い続けます。この「森の中の学校」でゆったりと、しかし着実に成長していくのです。
そして私は、高等学校3年生になった生徒達と2年ぶりの授業で会うたびに、小さな頑張り屋さん達がもうすぐこの森から巣立っていく大人に変容していることに感嘆するのです。
後に続く 今、中学生の皆さん。 次はあなたたちの番ですね。
美術科 高木