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2020/03/03

  • 校長より

【校長・教頭より】3月3日号

突然の臨時休校となり、生徒のいない校舎はがらんとしています。生徒の皆さんが飾ったおひな様もさびしそうです。
「新型コロナウイルス」という言葉を初めて聞いたのは何月何日だったのでしょうか。
初めのうちはあまり関心を寄せず、クルーズ船のニュースが報じられ始めた頃もまだ他人ごとのように思っていた方もいらっしゃるでしょう。しかし、ここ1~2週間で状況は日々刻々と変化し、私たちは今までに経験したことのない不安に襲われています。
専門家の意見や政府の要請に恐れをなし、一方では「商品が無くなってしまうらしい」というデマに動揺して、私たちの心は乱れています。「若者が、気づかずに感染を拡大させている」という最新の報道もありました。今こそ「悪いのは誰か」ということではなく、「終息に向かわせるために私たちのできることは何か」を考えていきましょう。
心配・不安・憂鬱の日々も、いつかは終息するはずです。今は辛抱の時期です。
皆さん、どうぞ、体と心の健康を保てるよう留意してお過ごしください。
校長  町 妙子

学校の正面玄関前の枝垂梅が咲きほころびました。
生徒の皆さんの声が聞こえない広い静かな校地に人知れず咲く花、寂しい春の訪れです。
私の1年生の期末試験は1日目の1時間目。その幸運に感謝しながら採点しました。授業の学びの質・理解の深さとそこから発展した思考を答案用紙に綴られた貴女の解答の文章を、読んでは受け取っていました。それぞれの学年の貴女方の手元にある「実施できなかったテスト」にも、どうぞ真剣に向き合って取り組んでください。
さて、家庭学習日のたっぷりある時間に『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
(ブレイディみかこ著、新潮社、1350円)の読書をお勧めします。これは、今年の2月1日の入学試験国語の問題で取り上げた作品で、今世の中でも大変話題の本です。既に読んだ方も多いことでしょう。「多様性」について考え、「Empathyエンパシー」をキーワードにして「自分で誰かの靴を履いてみること」の大切さを紐解いています。また、その作者ブレイディみかこさんと生物学者福岡伸一氏の対談新聞記事を、期末試験応用問題にしました。「自ら学ぼうとしないと気づけない利他性、人は学ぶことで偏見や支配から自由になれ、他人の靴を履くことができる」と記事は導いていました。1年生の皆さん、書けたでしょうか。2・3年生の皆さんとも一緒に読みたい記事でした。
「勉強すれば人の視野は広がり、より自由にお互いを尊重し合えるようになる」という対談内容は、なんて私たちの「学ぶ心」に力を与えてくれることばでしょう。私たちの学校の学びの姿勢そのものです。皆さん、学びましょう!
内側に閉じざるを得ない3月の厳しい生活の始まりですが、この本をはじめいろいろな読書から感じ考えて、貴女の内側の世界を広げてください。一人一人の3月に実りあれ!
今週末土曜日の日本テレビ番組「世界一受けたい授業」で、この本の特集をするようです。
ブレイディみかこさんも登場すると予告していましたので、どうぞご覧になってください。
今度学校で会えた時に、色々と本から考えたことを伝えにきてください。待っています。
教頭  椎野秀子
  • 今日はひな祭り
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  • この本です
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