トピックス

2022/12/20

  • 校長より

今年もお世話になりました ~「話し合い」の伝統は継承されています~

  • 12月の風景 西生田成瀬講堂
  • 校内のクリスマスツリー
  • 全学年合同LHR「イントロダクション」
  • 「理想の私たち」について
  • 24クラスの意見のまとめ
  • 図書部主催講演会 はやみねかおる先生

朝夕の寒さ厳しい季節となりましたが、校内にはクリスマスツリーが飾られ、美しいイルミネーションが心を弾ませます。

定期試験終了後の12月5日、自治会総務企画の「全学年合同ロングホームルーム」が行われました。本校では、毎週月曜日第6校時に、生徒の司会による「ロングホームルーム(LHR)」を行っています。これは、附属高等女学校時代の「黙思会」の伝統を受け継ぎ、発展・拡充させながら現在のかたちに至ったものです。LHRでは、クラス単位で、時に学年あるいは全校規模で、一つのテーマについて討議します。毎年4月の年度はじめ、各学年のクラス委員会の生徒達を中心に話し合って1年間の学年目標を定め、その後クラスメイトの意見をもとに、LHRで話し合うテーマを決めていきます。「先輩と後輩の関係」「共学校VS女子校」等の身近な話題から「経済と貧困」「なぜ戦争が起こるのか」「報道の自由」等の社会的な問題まで、テーマは多岐にわたります。司会は輪番制となっており、当番になった生徒達が予め調べてきた資料を提示して問題を投げかけます。全員で、あるいはグループで、意見を述べ合い、異なる見解に真摯に耳を傾けながら、自らの考えを広め深める民主的な話し合いを生徒達は数多く経験します。従って、問題が生じた時や新たな試みを行う際、本校の生徒達は自ずと徹底的に話し合う姿勢を持つのです。LHRは生徒達が創立者成瀬仁蔵の遺した三綱領「信念徹底」「自発創生」「共同奉仕」を実践できる人に育っていくことを目指す大切な授業です。

今回実施された「全学年合同LHR」の統一テーマは「通学マナー&校内マナー~理想の姿を可視化しよう~」 ——— 資料をふんだんに使った総務の生徒達作成の説明動画「イントロダクション」に始まり、マインドマップを用いることで問題点を可視化し、「理想の私たち」について意見を出し合いながら付箋を貼って皆の思いをまとめていく試み ——— 6時間目(45分間)という限られた時間でしたが、有益な会になるように、自治会総務・クラス委員の生徒達が綿密な準備を重ね、当日は3学年24クラス其々が個性を活かし、前向きな討議を行うことができました。意見を積み上げ昇華させていく——— 話し合いの伝統は現在も本校に息づいています。コロナ禍3年目の今年、生徒達は自らの考えを発表し、相手の意見や立場の違いを理解するように努め、諦めることなく、行動へと繋げていくエネルギーを培っています。

いよいよ冬休みがやってきます。昨日(12月19日)は、小説家はやみねかおる先生が、「トリックで人生を楽しく」という演題で、大変興味深いお話をしてくださいました。小学生や中学生の頃、はやみね先生の作品を夢中になって読んだ生徒も多く、皆で楽しみにしていた時間でした。先生は、客席の生徒からの声にも応えてくださり、温かく寛大なお人柄に触れることができた貴重な講演会となりました。

皆様、今年も本校の教育活動にご理解とご協力を賜り心より感謝申し上げます。どうぞお健やかに新年をお迎えになられますようお祈り申し上げます。


校長 薄 由美