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2022/04/28

  • 校長より

ユニセフ ジュネーブ民間支援企画調整局 副局長 杢尾雪絵先生来校! ~ライフデザイン・キャリアデザインを考える特別授業実施~

  • 杢尾雪絵先生講演会の様子
  • TED講演会を彷彿とさせる語り口
  • 本校卒業生であり同級生
  • UNICEFでの活動の様子  ©UNICEF
  • 子どもの権利を守る  ©UNICEF
  • 世界各地の子供たちと共に  ©UNICEF

「母校で皆さんとお話しできることはこの上なく光栄です」——— ユニセフ(国連児童基金)ジュネーブ民間支援企画調整局 副局長の杢尾雪絵先生が、ちょうど日本に帰国中の4月18日、「ライフデザイン・キャリアデザインを考える特別授業」をしてくださいました。杢尾先生は本校の卒業生、私の同級生です。大学卒業後、都市計画建築コンサルタントとして就職した後、青年海外協力隊や国連ボランティアを経て、米国の大学院で修士号を取得し、国連食糧農業機関でのインターンを経験し、ユニセフ モンゴル事務所に勤務なさいました。その後、コソボ事務所長、モンテネグロ事務所長、タジキスタン事務所代表、ウクライナ事務所代表、キルギス共和国事務所代表、レバノン事務所代表を経て、現在はユニセフ ジュネーブにて責任あるお立場でご活躍中です。

杢尾先生は、TED(Technology Entertainment Design)の講演会を彷彿させるかのように、舞台スクリーンに映し出された世界各地の子供達との写真を背景に、ユニセフ、キャリア、高校生への期待などを熱く語ってくださいました。「かわいそうだから、とか、慈悲の気持ちがあるから、やっているわけではなく、子どもの権利を守る仕事をしている」という言葉に、差別なく皆が幸せになる権利があることを再認識した生徒、「生田の森の3年間の高校生活では、運動会やもみじ祭、音楽会などで、頑張る力とリーダーシップ、将来役に立つ力を身につけた」という話に親近感と憧憬の念を抱いた生徒、「偏見や思い込みを持たず、他人と自分ではなく、自分と自分を比較して、これからの長い人生、好奇心、向上心、そして自信をもって自立する女性になろう」との力強いメッセージに勇気づけられた生徒 ——— 豊かで多彩な経験、使命感と誇りをもって仕事に臨む姿勢、そして幸せなご家庭を築いていらっしゃる様子 ——— 生徒達にとって、ライフデザイン・キャリアデザインを考えていく上で、沢山の可能性を示してくださった特別授業でした。

本校では通常の教科の授業とは別に、折に触れて特別授業を実施しています。毎年、入学したばかりの1年生へ向けて、インターネットの情報・事象を正しく理解し運用できる能力を身につけるために「ネットリテラシー講座」を行い、また、自分の体と健康について学習するために産婦人科の先生による「衛生講話」を実施します。

昨年度は新たに2つの特別授業を行いました。一つはコロナ禍におけるメンタルヘルスについての特別授業、もう一つは民法改正による成年年齢の引き下げに伴い、社会的責務などについて弁護士の先生に特別授業をしていただきました。

今年度はこれらに加えて、「ライフデザイン・キャリアデザインを考える」と題する特別授業を行います。杢尾先生の授業はその第1回目でした。事前に数多くの課題図書もご紹介いただき興味を持って読み始めている生徒もいます。

私たちは先行き不透明で誰もが不安を抱える時代を生きています。解決すべき問題が次々に襲いかかってくるような現在、生徒達には、自身の学び方や働き方、生き方を模索し、創立者成瀬仁蔵が「自念自動」と説いた「自ら考え、自ら学び、自ら行動する力」を身につけてほしいと考えます。日々の授業を通して教科の勉強をしっかり行い、自治活動にも熱心に取り組む生徒達にとって、この「ライフデザイン・キャリアデザインを考える」特別授業が、自立へ向けての一助となることを切に願っています。

校長 薄 由美