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夕刻になるとヒグラシの鳴き声に続き、コオロギ、カンタン、マツムシなどの虫の音が生田の森に響き渡ります。秋の訪れをしみじみと実感する今、残念ながら校舎内に生徒達の姿はありません。
新型コロナウイルス感染症が拡大し緊急事態宣言が延長される中、本校は、夏休み明け始業挨拶を対面ではなく動画配信にて、予定通り（8月28日）実施しました。昨年は4月から5月の学校休業のため、夏休みも短縮となりましたが、今年は例年のように約一か月半の長い夏休みでした。生徒達が楽しみにしていたクラブの合宿はできませんでしたが、その代替措置として、感染症対策を講じた上で、7月に強化練習を実施したクラブもありました。このような状況の中でも健気に練習に励み、柔軟な思考で道を切り拓いていく生徒の姿に触れ、私は胸がいっぱいになり、こちらが励まされる思いでした。8月に首都圏での感染状況が悪化したため、夏休み後半のクラブ等の活動は縮小せざるをえませんでしたが、この夏も生徒たちは、新しい発想で前を向いて過ごしてきました。
本校では、感染拡大防止のため、8月30日からmanaba（日本女子大学が利用しているインターネットを利用した学習支援システム）・Microsoft Teamsを利用したオンライン授業を開始しました。2・3年生にとっては久々の、1年生にとっては初めてのmanabaの授業です。来週からはオンライン授業も継続しながら、分散による登校も予定しています。
生徒達が創立者成瀬仁蔵の遺した三綱領の一つ「共同奉仕」の精神を活かして、時に皆の先頭に立ち、時に誰かの背中を支えながら、広い世界で行動する時は、すぐそこに来ています。今考えなければならない現実に向き合い、次の段階へと進む意欲を抱いて、諦めることなく真摯に学んでいく——— 生徒一人ひとりが今年も実り多い秋を過ごすことができるよう、教員一同努めてまいります。