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2021/07/08

  • 校長より

『樹木と果実』(2021/7/8)

長雨が続いております。この度の大雨により被災された皆様に謹んでお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
昨晩(7月7日)の七夕もぐずついたお天気でした。生徒達は例年通り、校内の広いモールに設置された七夕の笹に其々の願い事を結びました。短冊に込めた思いが叶うようにと祈っています。

先週、本校の生徒研究誌『樹木と果実』が全校生徒に配布されました。この研究誌は凡そ30年前、生徒達の提出したレポートや小論文、作品等に秀逸なものが数多くあることを嬉しく思っていた教員達が、『樹木と果実』と名付けて創刊したものです。その後、毎年地道に発行を積み重ね、今年度は第28号となりました。
『樹木と果実』第28号を開いてみます。巻頭には写真クラブの生徒達が其々の一瞬を捉えた写真が並び、その美しい色彩と構図に魅了されました。ページをめくると、3年選択授業「時事問題」で発表後、討議を経て完成させたレポート、3年生の地域研究レポート、特別講座「知の泉」の小論文、高校生活の集大成としてまとめた英語による卒業レポート等、どれも鋭い視点と丁寧な調査、今後に向けての的確な考察が示されており、感心しました。さらに読み進めると、神奈川県高等学校総合文化祭高校文芸コンクールにて表彰された小説や詩、短歌、俳句、そして高校生福祉文化賞に輝いたエッセイが掲載され、外部から高い評価を頂いたことを嬉しく思いました。また、現代文の授業で扱った『野火』『こころ』『舞姫』の作品論の数々は、生徒達が作品に切り込む観点に新鮮な感動を覚えました。
今回ご紹介した生徒研究誌『樹木と果実』は、本校生徒たちの研究や創作活動の貴重な記録であると同時に、お互いの刺激となる一冊でもあります。本校には、生徒一人ひとりが夢中になることを見つけようと努め、互いにそれを素晴らしいと認め合う文化が根付いていますが、『樹木と果実』もそれを体現するものです。生徒が自ら考え、自ら学び、自ら行う本校の教育方針「自念自動」を実践し、仲間の一生懸命を尊重し、共に成長するための大切な学び合いの場として、『樹木と果実』がこれからも、深く根を張り大きな幹となり、花を咲かせ実を結んでほしいと思います。
梅雨明けが待たれる今日この頃、生徒達が夏休みという余裕のある時間を通して興味や関心の幅を大きく広げ、深く掘り下げて学び、これからの社会のあり方を考えて行動できる力を身につけてほしいと願います。

校長 薄 由美 

  • 『樹木と果実』第28号  写真クラブ作品
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  • 「時事問題」レポート  地域研究レポート
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  • 英語卒業レポート 文芸コンクール入選作品(小説)
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