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2021/06/28

  • 校長より

6月の風景(2021/6/28)

教室の窓から見える生田の森の緑が、木々の梢を揺らす雨に打たれて色濃くなってまいりました。
本校では6月中旬に前期中間試験が終了し、生徒達は其々の目標に向かって歩みを進めています。校内を歩くと、生徒が力を注いでいる活動や興味・関心のある事柄の一端を、様々な掲示物から垣間見ることができます。

全校生徒が毎日通る生徒玄関に、大きな「マナーupカレンダー」が掲示されています。自治会の総務メンバーが話し合いを重ね、「皆に呼びかけよう」と作成されました。今月のカレンダーには、傘をさすことが多くなる梅雨の登下校時に気をつけるべき点が具体的に記されています。
生徒玄関から教室へ向かう階段を上る際に必ず目に留まるのは、生徒達が立案・作成した2021年度自治会の基本方針「共存共進」のパネルです。「個性の尊重」「集団としてのまとまり」「周りを見る」を意味する三つの笑顔が重なり合った、魅力的なデザインが印象に残ります。今年度の生徒自治会からのメッセージは、「共に学校生活を送る仲間と、より良い学校を作っていこう」——— 個性を認め合いながら、互いに助け合いながら、自ら考え、判断することのできる人に成長してほしいと願います。

3年生の教室外の掲示版には、5月末に実施された運動会を懐かしむかのように、各クラスの応援テーマに沿ったパネルが飾られています。廊下を歩きつつ個性豊かな8クラスのパネルを鑑賞すると、しばし心が和みます。一方、秋に実施予定のもみじ祭に向けて、生徒達は真剣な話し合いと準備を重ねています。各教室や廊下には沢山の情報と熱いメッセージが込められた“MOMIJIFES NEWS”が掲示され、今後に向けての活動の指針となっています。

授業のない土曜日や長期休暇を有効に活用するために学校が提供する新しい学びの場である特別講座【知の泉】のポスターは、1階の階段横に掲示されています。2017年度に始まった【知の泉】は、参加は自由、学年も問いません。強制されることなく、自らの意志で行動する時、人は大きな力を発揮します。今年も「憲法から社会を考える」「小論文対策講座」「TOEIC対策講座」「宇宙講座」等多様なプログラムを準備しています(今年度実施した【知の泉】はHP「高等学校生活レポート」をご覧ください)。【知の泉】が提供する様々な学びは本校の教育方針「自念自動」の実践の場でもあります。
そして、本日(6月28日)開催された「コロナ禍における高校生のメンタルヘルス」のポスターが、各階の廊下に掲示されています。本学園カウンセリングセンター所長・児童学科教授で精神科医の吉澤一弥先生から、ストレスへの気付きと対処法などを学年ごとにわかりやすくお話しいただきました。「本当の自立とは、全て自分ひとりで解決することでなく、困った時に支援を求めることができることであり、それは弱いことではなく真の強さである」「本校の相談室では公認心理師・臨床心理士が個別にあった方法を一緒に考えることができる」との吉澤先生のお言葉に、心強く思った生徒も多かったことと思います。
もうすぐ7月です。この難局を乗り切る気概を持ち、仲間と前向きに着実に歩みを進めていく———生徒達一人ひとりにとって、成長の夏の到来です。未来を生きる生徒達が、幅広い知識を蓄え、ものごとを論理立てて考える力を磨き、豊かな感性を養っていくことができるよう、本校では引き続き教科学習と自治活動、二本柱の教育の場を数多く提供していきたいと考えます。

校長 薄 由美