トピックス
2020/10/23
- 校長より
2020年度前期が終わりました (2020/10/23)
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映像と放送を使っての全校会 -
前期終業式
生田の森に囲まれた中高グラウンドで、沢山のドングリを見つけました。日ごとに秋が深まる中で、本校は前期から後期への橋渡しの季節を迎えています。
昨日から、前期のまとめとして学年部会・全体部会や学年会、そして、全校会などが実施され、前期終業の本日(10月23日)、2・3年生は教室にて、1年生は大ホールに間隔をあけて着席し、全校一斉の終業式を執り行いました。本校では、「起立」「礼」「着席」の号令をかけない、自然な立ち居振る舞いの習慣を確立しています。6月に実施した「入学をお祝いする会」以来、久々に大ホールに着席した1年生も、この習わしを身につけてくれたことを嬉しく思いました。式典では、2・3年生有志の生徒による奏楽(フルート6重奏『天空に舞う6人の天使たち』)の後、長い黙思をしてこの半年を振り返りました。
今年度前期は、コロナ禍のため、中止を余儀なくされた行事や日々の活動があり、本校の特徴である「自治と自由」の風を存分に感じながら過ごす時間が限定的だったことを残念に思っております。新しい学校生活様式を確立していく上でも、本校の「自治と自由」の文化を大切にしていきたいと考えます。
本日の式典で、ポール・エリュアールの詩「自由」(Liberté)の一節(大島博光訳)を紹介しました。「・・・のうえに・・・わたしは書く きみの名を」というフレーズが何度も繰り返され、詩の最後は次のように結ばれます。
力強い ひとつの言葉にはげまされて
わたしは ふたたび人生を始める
わたしは生まれてきた きみを知るため
きみの名を呼ぶために
自由よ
今とは状況が異なる第二次世界大戦下、レジスタンスに参加しながら発表されたこの詩は多くの人々に愛され、希望と勇気を与えたと言われています。新型コロナウイルス感染症は私達に大きな恐怖を与え、人間社会の様々な脆弱さを炙りだしています。その一方で私たちは、人間の誠実さや自由の大切さを改めて実感しています。生徒達は、授業、ロングホームルーム、自治活動などでの話し合いを通して、かけがえのないものは何か、自らに問い続け、自分の生き方や世界のあり方を深く考えています。
1年生は、6月に学校が再開した頃の緊張感が和らぎ、色々な活動にも参加して「学校が楽しくなってきた」との嬉しい感想を寄せてくれています。春にクラス替えをした2年生は、9月に実施した「軽井沢セミナーin西生田」で討議することの面白さを経験し、ぐんと成長しているように見受けられます。そして、この大変な状況の中、フロンティア・スピリットを発揮し、新しい学校生活を切り拓いて、様々な場面で学校全体を導いている3年生の姿は、下級生にとって憧れの的です。
生徒達が、学校生活の中で、自ら考えて学び、自ら選び取って、自ら行動し、人間性豊かな人に成長できるよう、後期も教職員一同支援していきたいと思います。