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2020/04/02
- 校長より
新年度にあたって(2020/4/2)
西生田キャンパスの桜は、生徒達が楽しむ間もなく満開を過ぎ、若葉の季節に入ろうとしています。新型コロナウイルス感染症対策のため登校禁止が続く困難な状況の中、日本女子大学附属高等学校は2020年度を迎えることとなりました。
本校では、2月28日学年末試験終了を以て2019年度の教育課程を全て完了し、卒業・進級を確定しました。しかし、生徒達が楽しみにしていた音楽会や全校会、送別会等、3月の様々な行事を開催できなかったことは、大変残念でした。3月15日には時間を短縮した卒業式を挙行しました。西生田成瀬講堂の広いホールに卒業生と教職員のみが参列する形式となりましたが、3年間を共にした仲間との楽しい思い出や困難を乗り越え道を切り拓いた自信を胸に、笑顔で学び舎を巣立っていく卒業生に、我々教員は心から声援を送りました。
先の見通せない現在、生徒達をはじめとする若い人達は不安に苛まれているのではないかと心配しています。同世代も含めた人々の様々な行動が報じられ、心を痛めている人も多いことでしょう。「自粛」という言葉を毎日耳にして、精神的緊張や身体的影響を感じているかもしれません。しかし、このような時であっても、若者には、伸びやかで自由な思考力を育んでほしいと願っています。これまで本校が生徒に配信した数回の緊急メールでは、教科からの推薦図書や近い将来大学で研究したい分野の入門書を読むこと等を薦めてまいりました。今、自分は何をする必要があるか、何ができるか、自ら考え自ら学んでほしい・・・本校の教育方針「自念自動」こそ、人を大きく成長させるのだと確信します。
本日、学校では、新2・3年生一人ひとりの生徒に沢山のプリント等を郵送いたしました。新学期開始へ向けてご家庭で勉強に取り組んでほしいと考えています。その一助となるよう、今年度より導入するmanaba(インターネット環境を利用した授業支援システム)の説明も同封し、これを活用した学習も進めていきます。
本校の教育は、教科学習を通しての知識の獲得と、自治活動を通しての「信念徹底」「自発創生」「共同奉仕」(創立者成瀬仁蔵の教育三綱領)の実践が大きな二つの柱となっています。本来なら、学習活動・自治活動共に、顔と顔を合わせて切磋琢磨することにより生徒達は大きく成長していきます。学校再開が叶わぬ中ではありますが、「遠隔教育」を通して、本校らしい教育活動を推進していけるように努めてまいります。
在校生、新入生の皆さん、自分の行動が社会全体に大きな影響をもたらすという自覚を持って、不要不急の外出を避け、健康管理に十分留意していくことが肝要です。お目に掛かることができる日を楽しみにしています。