日本代表チームにてICU世界チアリーディング選手権大会優勝!

2023.07.05

【優勝インタビュー】ICU World Cheerleading Championships優勝、ICU International Cheerleading Cup 3位入賞。山口奈々羽さん(食物学科食物学専攻2年)

写真提供:日本スポーツチア&ダンス連盟

2023年4月19日(水)から4月21日(金)にアメリカ・フロリダ州ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内で開催された「ICU World Cheerleading Championships」(以下、「WCC」)において、食物学科食物学専攻の山口奈々羽(やまぐちななは)さんが、日本代表として出場し優勝されました。
そして翌々日の4月23日(土)から4月24日(日)に同会場で開催された「ICU International Cheerleading Cup」(以下、「ICC」)へも、所属するクラブチーム「一般社団法人PHOENIX Purple」で出場し3位入賞されました。その活躍について、山口さんにお話を伺いました。

優勝した「チアリーディング」Coedとは

チアリーディング競技の中には、「チアリーディング」と「パフォーマンスチア」があります。私はチアに出会った時から「チアリーディング」に取り組んでいます。その違いは、「パフォーマンスチア」がダンス中心である一方、「チアリーディング」では組体操のような技(スタンツ)や、宙返りやバック転などアクロバティックな技(タンブリング)を行う点です。
「チアリーディング」の中にも、All Girl(オールガール:女子選手だけの部門)とCoed(コエド:男女混成部門)があり、よりダイナミックな技を行うのがCoedです。私は高校生のときは部活動で取り組んでいましたが、大学進学後はクラブチーム「一般社団法人PHOENIX Purple」に所属して、Coedチームで活動しています。

「WCC」出場までの道のり

今回私が出場した「WCC」と「ICC」は、どちらも国際オリンピック委員会より正式承認された国際団体「ICU(International Cheer Union)」が主催する、世界最大規模のチアリーディング世界選手権大会です。「WCC」は国別対抗で、「ICC」はクラブチーム対抗という違いがあります。
 私が日本代表として「WCC」へ出場できた理由は、今大会から導入された代表チームの「個人選抜」で選出されたからです。これまで「WCC」のチアリーディングCoed(男女混成部門)は、日本チームが決勝戦に進出したことのない部門でした。そこで、悲願のメダル獲得に向けて、2022年の8月から日本代表のセレクションが開催され、映像審査と対面で行う技能審査を経て、2022年12月に日本代表チームが結成されました。日本代表チームは総勢22名で、社会人も多いため、週に1回、夜間にチーム練習を重ねていきました。

はじめての海外、はじめての世界大会まで

今回の大会出場は、初めて海外に行く私にとって、大会のことだけではなく体調面や生活面にも不安がありました。
現地では屋外での練習があるなど、普段とは違う環境が新鮮でした。緊張しながら迎えた予選では、悔しさの残る結果となってしまいましたが、決勝前日まで最終調整して、チーム一丸となって本番に挑み、演技後は「やり切った、楽しめた!」という気持ちがありました。
その翌々日から開催された「ICC」へは、所属するクラブチーム「一般社団法人PHOENIX Purple」で出場しました。この大会でチームを離れるメンバーもいたので、「後悔のない演技ができるよう集中しよう!」という思いが強かったです。

写真提供:(左)日本スポーツチア&ダンス連盟/(右)International Cheer Union

世界選手権優勝と3位入賞は「夢のよう」

今回、私は日本代表として「WCC」で優勝、所属するクラブチーム「一般社団法人PHOENIX Purple」として「ICC」で3位入賞することができました。両大会ともに、表彰式でチーム名が呼ばれてメダルがかけられた瞬間は夢のようでした。まさか表彰台に上れるとは思ってもいなかったので、優勝と3位という結果は、私にとって一生の財産になりました。
予選から決勝の演技は、日本時間では深夜から早朝だったにも関わらず、オンライン配信で見てくれていた方から「感動した!」など多くのメッセージをもらい、嬉しい気持ちと感謝の気持ちでいっぱいになりました。

写真提供:International Cheer Union

「やっぱりチアリーディングがしたい!」日本女子大学附属高等学校へ

チアリーディングとの出会いは、幼稚園の年長のときに友人の紹介で行った体験会でした。母の協調性を養いたいという思いもあってチアリーディングを始め、小学校6年生まではクラブチームでチアリーディングに打ち込みました。その後、中学校ではチアリーディングから一度離れて、ソフトテニス部に所属していましたが、「やっぱりチアリーディングがしたい」と思い、チアリーディング部がある高校を探して、日本女子大学附属高等学校を見つけました。
入学の決め手は、チアリーディング部があることと、当時興味があった理学部が日本女子大学にあったことでした。大学に進学した今でも、ときどき附属高等学校へ行き、少しでも力になればと思って、チアリーディング部の後輩へアドバイスをしています。

日本女子大学の食物学科へ進学した理由

もともと理学部志望だった私が「食」に興味を持ったのは、高校2年生のときです。新型コロナウイルスが流行して、食生活を見直すようになったのがきっかけでした。
食物学科では1年次から、食に関するさまざまな分野を勉強します。食材によってどのような栄養素が含まれているのか、といった知識はチアリーディングにも役立っていると感じています。食べることが好きで、チアリーディングでイメージどおりに動けるように、栄養バランスなど食事には気を遣いながらしっかり食べることを意識しています。

学業とチアリーディングの両立

学業とチアリーディングの両立は、けっこう大変です。チアリーディング中心の生活になってしまって、課題のレポートに手を付けられないこともありますが、工夫して時間を作って取り組むようにしています。今回のアメリカ滞在中も、空き時間でオンデマンドの授業に取り組んでいました。
普段は、日本代表チームで週1回、クラブチームの練習は週2回ですが、自主練習もしているので週5回程練習しています。社会人チームなので夜の練習が中心で、自主練習もしていたら、帰宅は23時を過ぎることが多いです。そのため、日中は大学に来て、そのまま埼玉県にあるクラブチームのジムに向かって練習するという生活を送っています。とくに朝起きて1限の授業に出席するのは大変ですが、うまく調整して両立させていきたいと思っています。

写真提供:(左)日本スポーツチア&ダンス連盟/(右)International Cheer Union

チアリーディングの魅力は「達成感」

チアリーディングは、大人数で行うチームスポーツのため、人数が揃わないとなかなかできない技もあります。チーム一丸となって練習し、1つの技を完成させ、それを観客に披露する。技が決まったときの大きな達成感が魅力です。
私は昨年の夏ごろ、大怪我をしてしまって3カ月くらい練習ができない期間がありました。ですが、チームを外から見る良い機会にもなり、今自分にできることを全力で取り組んでいました。上手くいかない時でもメンバーとコミュニケーションをとり、強い信頼関係を築ける点もチアリーディングの良さだと思っています。

これからの目標

今回、「WCC」のCoed Eliteで優勝できたことで、来年の日本代表チームは、さらに1段階レベルが高い部門であるCoed Premierへの出場が決まりました。私の次の目標は、また来年も日本代表として「WCC」に出場することです。そのために、今年の夏から始まる日本代表の選抜に改めて挑んでいく予定です。
そして、大学卒業後は食物学科での学びを生かして、食に携わる仕事に就きながら、チアリーディングを続けていきたいと考えています。
 
▼山口さんの大会当日の演技はこちらからご視聴いただけます
ICU World Cheerleading Championships
ICU International Cheerleading Cup