2021年度JS卒論・修論賞表彰式が行われました

2022.04.08

2021年度JS卒論・修論賞表彰式が行われました

2021年度JS卒論・修論賞表彰式が行われました

日本女子大学と日本総合住生活株式会社(JS)は産学連携による寄附講座を開設しています。
その一環として、在学生と学内関係者を対象に、2021年度JS「住まい・団地・まちづくり」論文・制作賞の公募が実施され、2022年3月3日(木)に表彰式が行われました。
【公募・実施概要】

2021年度JS「住まい・団地・まちづくり」論文・制作賞

1.趣旨

日本総合住生活株式会社(JS)の寄附のもと、本学学生の優れた研究成果を褒賞することにより、創造性及び自主性を備えた人材の育成を図ることを目的とする。

2.応募資格

・卒業論文または卒業制作に着手している学生
・修士論文または修士制作に着手している学生

3. 募集論文・制作

・テーマ:住まい、団地、まちづくり、いずれかに関わる研究・制作
住居・建築学はもとより、文学、社会学、福祉学等、広く多様な分野からの論文を募集する。
4. 日程

・論文提出期間 2022 年 1 月 15 日 (土) 2022 年 2 月 15 日 (火)
・審査結果発表・表彰式 2022 年 3 月 3 日(木)

5. 審査委員

日本総合住生活株式会社(JS) 石渡 廣一 社長
学校法人日本女子大学     今市 涼子 理事長
日本女子大学         篠原 聡子 学長
大学院授業担当        定行 まり子 教授
学部授業担当         古賀 繭子 非常勤講師

【結果発表】

表彰式では、各賞の発表と賞状ならびに目録の授与が行われました。上位3賞の受賞者は以下の通りです。

⚫JS社長賞(5万円)
家政学部 住居学科 建築デザイン専攻 尾﨑 美都 (おざき みと) さん
卒業制作「鎌倉五差路の家-多世代居住の可能性を探る-」

[講評(一部抜粋)]
・五差路という交通の要所に着目する点が面白く、またそこを「帰ってきた」感のある場所に、といった独創性のある提案が非常に面白い 。
・建物をひとつのネットワークとして繋げ、またそのネットワークを地域全体へと広げていくところまで意識されている点(地域全体で多世代居住を実現しようとする視点)がよい。

⚫JWU理事長賞(5万円)
家政学研究科 住居学専攻 森 菜央 (もり なお) さん
修士制作「空間構成による経験と想起 ぼーっとできる建築」

[講評(一部抜粋)]
・「ぼーっとする」という一見すると日常生活の中でマイナスになりそうな行為にフォーカスした点が面白い 。
・コロナ禍での問題提起からプレゼンテーションと設計意図が繋がっていてかつ明確で、住戸内の空間構成も魅力的だった 。

⚫JWU学長賞(5万円)
家政学部 住居学科 居住環境デザイン専攻 伊藤 若菜(いとう わかな)さん・片野坂 希帆(かたのさか きほ)さん
卒業論文「テーマパーク化する都市の歩行空間」

[講評(一部抜粋)]
・仮説⇒検証の手順を踏み、論理性に長けた構成となっていた。抽出した五つのテーマパークを様々な角度から分析し、近似点、異なる点等をよく分析されていた。
・都市の歩行空間をテーマパーク化という観点から分析を試みている点や、テーマパークを関連頻出キーワードから定義づけを試みている点が目新しい。

⚫その他の賞
・JS特別賞(1万円)
人間社会学部社会福祉学科 小松 桜子(こまつ さくらこ)さん
卒業論文「高齢期“からも”つながる新たな仕組み」

・卒論・卒制優秀賞(1万円)
-卒論優秀賞
家政学部住居学科居住環境デザイン専攻 中村 果歩(なかむら かほ)さん
「都市部のUR団地のオープンスペースの使われ方の実態とその役割について」
家政学部住居学科建築デザイン専攻 安本 萌恵(やすもと もえ)さん
「近接する公園の連携整備計画についての研究 -雑司が谷の7つの公園を対象として-」
-卒制優秀賞
家政学部住居学科居住環境デザイン専攻 長島 夏希(ながしま なつき)さん
「建築と物が語りだすとき -容器と内容物という機能的な役割から解放される住宅-」

・修制優秀賞(1万円)
家政学研究科住居学専攻 金子 奈央(かねこ なお)さん
「多拠点居住のライフスタイル -旧街道沿いの都市を事例として-」

・奨励賞 11名(5000円クオカード)

上位3賞の受賞者による、受賞作品の発表が行われました。

JS社長賞 尾﨑さん/JWU理事長賞 森さん
JWU学長賞 伊藤さん・片野坂さん/全員での記念撮影

【受賞者の声 】
Q1. 受賞についてのコメント
Q2. 受賞作品についての、難しかった点・こだわった点
Q3. 日本女子大学とその学科を選んだ理由
Q4. 後輩に伝えたい日本女子大学の魅力
Q5. 今後の進路

JS社長賞 尾﨑 美都(右)さんとプレゼンターのJS石渡 廣一社長(左)

・尾﨑 美都 さん

A1. この度はJS社長賞という名誉ある賞をいただき、光栄に思います。自分の作品に対するご意見やご感想を「まちづくり」という観点から、お聞きすることができてとても勉強になりました。このような機会を設けてくださり、ありがとうございました。

A2. 卒業制作として斬新さを求めつつ、鎌倉の街並みに配慮した形態を生み出すのが難しく、自分の設計建物が実在したらどのようなメリットがあるのか、鎌倉の一市民としての視点を大切にしました。

A3. 先生と学生との距離が近く、住環境を中心に建築を学べる点に惹かれ、住居学科を選びました。

A4. さまざまな分野でご活躍されている先輩方が多く、将来に対する視野を広げられるところです。

A5. 篠原聡子研究室にて、国内外問わず、住まいについての学びを深めたいため、大学院進学を決めました。

JWU理事長賞 森 菜央(右)さんとプレゼンターの今市涼子理事長(左)

・森 菜央さん
A1. 私がこの六年間日本女子大学で学んできたことの集大成として作り上げた作品が、分野の違う研究をされている今市理事長にも共感していただけたことが大変光栄でした。

A2.ぼーっとすることというのは、いつも無意識にしてしまうもので、それを目的に掲げて私以外の人にも理解してもらえるように建築に落とし込むことはとても難しかったです。

A3. 私はもともと間取り図を見たり書いたりすることが好きで、建築を学びたいと感じていました。その中でも、日本女子大学は学科構成などから、建築を学びながらも、さまざまな分野に関連づけて学ぶことができると感じたからです。

A4. 何かひとつの正解があるのではなく、自分が日常で感じたことや気づいたことをきっかけに自由に学ぶことができる環境だと感じました。

A5.今後は一級建築士の資格を取得するために、アトリエ事務所に通いながら勉強をする予定です。

JWU学長賞 片野坂 希帆(左)さん・伊藤 若菜(右)さんとプレゼンターの篠原聡子学長(中央)

・伊藤 若菜さん

A1. このたびは名誉あるJWU学長賞をいただき、光栄に存じます。切磋琢磨した共同研究者の片野坂希帆さん、適切なご指導をいただいた片山伸也准教授、そして家族や友人の支えがあってこその賞だと思っております。この賞を励みに、今後も研究に邁進して参ります。

A2. 感覚的なところから始まった仮説を客観的に捉え直し、テーマパーク化について言語化および図化する過程や、分析のための評価基準の設定に苦労しました。
性格の異なる敷地を五つ選定することで、テーマパーク化についてより多角的に分析することができたと思います。

A3. 都市計画が学びたいと考え、建築と近い住居学科に進学しました。
境界領域と言えるような建築や都市について学びたかった私にとって、理系だけでなく文系の学生も在籍する住居学科はマッチしていたと今振り返って感じます。

A4. 学生側が求めれば、先生方は熱心かつ細やかに指導してくださいます。また、世界的建築家の妹島和世さんによって設計された校舎も魅力のひとつだと思います。

A5. 将来は、都市開発やまちづくりに携わる仕事がしたいと考えており、そのためにさらに学びを深めるために他大の大学院に進学します。


・片野坂 希帆さん

A1. とても嬉しいです。支えてくれた家族、ゼミの片山准教授、一緒に執筆した伊藤さんに感謝です。

A2. 本論は構成が2部に分けられ、あらゆる先行研究から「テーマパーク」の要素を抽出し、それに基づいて実測調査の結果を評価しています。全体的にボリュームが多く、言葉の抽出方法や、評価方法が最も難しかったですが、こだわった点でもあります。その都度、片山准教授と伊藤さんと相談を重ねました。

A3. もともと私はデザインやモノづくりに興味があったため、発想力やデザイン力を身につけたいと考え、住居学科を選びました。

A4. 学生は自立していて、芯がある女性が多く、信頼できる大好きな学校です。自由に学ぶ環境が整っていて、意欲がある学生を応援してくれる大学だと思います。私自身4年間で、尊敬できる先生と友人に恵まれました。

A5. 卒業後は就職し、春から社会人になります。私が本学の住居学科で学び得た強みは、建築の知識だけではなく、自分で計画したことを自分の力で(時には友人と協力しながら)デザイン、プレゼンテーションまで一貫してやりきる力だったと思います。社会に出て、この力を存分に発揮できるように今後も頑張りたいと思います。


この度は受賞おめでとうございました。
皆さんの今後のご活躍を楽しみにしています。

この寄附講座は「JWUキャリア科目・JWU 社会連携科目」のうち、「社会連携科目」の中に開設されています。JSの実務としての取組み・実践フィールドと本学の専門的、学術的な知見や学生の柔軟な発想・探求心との協働を通して、実務と学術・教育の新たな社会連携プログラムを創設し、産学連携による社会的課題を解決することを目指しています。