センター所長メッセージ

センター所長メッセージ

2023年度 JWU女子高等教育センター所長メッセージ 

大分前のことですが、私が理系の大学生だった頃、学生実験で実験レポートの作成と提出が課された時には、期限までに提出することを目標に必死に取り組んだのを覚えています。レポートは返却され、そこにはBとかCなどの評価がありましたが、自分のレポートにおいてどの点を改善すべきなのかを知ることはできなかったように思います。

いま私が担当する学生実習において、レポートでは何を書いたらよいのか分からないという声を聞き、私はレポート作成で達成すべきポイント(項目)と各ポイントにおける3段階の達成度レベルを具体的に記したルーブリックを受講生に事前に配付することにしました。レポート提出後学生一人ひとりに各項目の達成度およびコメントを記したルーブリックを返却したところ、受講生からは、重視すべき点が明確でレポートが作成しやすかった、どの点をどのように評価されているかが明確でよかったという声を聞くことができました。

ディプロマ・ポリシー(DP)として掲げられた学修成果を個々の学生がどの程度達成できたかを可視化する、いわゆる「学修成果の可視化」は、今進められている「学修者本位の教育」への教育の転換の核心部分です。DP達成度の可視化はもちろん重要ですが、その土台となる個々の授業での達成目標の達成度を、学生に資するように可視化するにはどうしたらよいかを検討することが今求められていることだと考えています。

可視化の方法にはいろいろあり、上記のルーブリックだけではありません。ルーブリックにも欠点はあり、適用されない授業もあります。今後FD研修などを通して、評価方法や達成度の可視化方法に関する教員の理解をさらに深めていければと考えています。

昨今、生成AIの出現がいろいろな方面で話題となっています。大学教育への影響も必至です。実験レポートや論文に限らず、頭を悩ませながら語句を精選しながら文章を作成していく作業の大部分を生成AIが代替できる時代が到来した今、大学で行う教育とは何かを再度考えていく必要があるのかもしれません。時代に合った、社会が求める人材を育てる手段としての教育だけでなく、本学の教育の理念である三綱領を踏まえながら、生成AI時代に本学で行うべき教育とは何かを皆で考える時が来たのではと考えています。

和賀 祥

歴代センター所長メッセージ

2022年度 センター所長メッセージ

いま全国の大学で進められている学修者本位の教育への転換は、ほとんどの大学教員は経験したことのないスタイルの教育への転換と言えます。教育のパラダイムシフトと言っても過言ではありません。一方、「学修者本位」という言葉だけからは、当然いままでも学生のために教育を行なってきたのですから、何を変えようとしているのか理解されないように思います。

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2021年度 センター所長メッセージ

新型コロナウイルスによる感染症パンデミック、地球温暖化に起因する自然災害など、日常の生活を脅かす大きな出来事が起こっています。そこで直面する種々の問題には、地球レベルの問題もあり、容易に答えは見出せないものが少なくありません。さらに、ICTやAIといった情報通信技術の発展などに伴い、以前には想像もできなかった社会になりつつあります。

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2020年度 センター所長メッセージ

JWU女子高等教育センターは、本学における教育活動の改善を継続的に推進し、またその実施を支援する機関として、令和元年度に発足しました。その設立2年目に、センター所長を務めさせていただくこととなりました。大学における「教育のあり方」が問われる中、本学の優れた教育を可視化し、大学全体の力として機能させることをめざして精一杯努めて参ります。どうかご理解とご協力をお願い申し上げます。

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2019年度 センター所長メッセージ

2019年6月1日付で本学にJWU女子高等教育センターが設置され、教育施策を実施するとともに教育活動の継続的な改善の推進及び支援を行うこととなりました。

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