受賞者・受賞団体紹介

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過去の受賞者・受賞団体

※所属、役職等は受賞当時のものです。

第14回(2018年度)受賞者・受賞団体

顕彰

青木 千賀子 氏
(日本大学 国際関係学部 特任教授)

顕彰

三具 淳子 氏
(日本女子大学現代女性キャリア研究所 客員研究員)

顕彰

青木 千賀子 氏
(日本大学 国際関係学部 特任教授)
研究テーマ ネパールのダリット女性の地位向上とマイクロファイナンスの活動
講評

 青木氏は、ネパールの「ダリット」と呼ばれるカースト制度の最下層に置かれた被差別集団の女性たちの地位向上を目的として、2007年から現地調査をおこなってきた。彼女たちの社会的な差別構造を解消するためには、女性グループへのマイクロファイナンス(小口金融)活動を実践することであるとし、女性グループへの聞き取り調査を経て養鶏、養豚、店の開設等の所得創出のための活動を開始して、差別解消、社会規範の見直しのために貢献した。

 青木氏の多数の論文や著書『ネパールの女性グループによるマイクロファイナンスの活動実態―ソーシャルキャピタルと社会開発』(日本評論社、2013年8月)には、ネパールでなされた活動が詳細に報告されている。これらの著作から、単に発展途上国の実情の調査や文献資料調査にとどまっているのではなく、青木氏が女性の自立に向けて手を差し伸べ、ともに社会的な差別を解消すべく努力したことが読み取れる。このような青木氏の活動は、らいてうの目指した女性解放や世界平和を現代に実践しているといえ、らいてう賞に最もふさわしいものである。


顕彰

三具 淳子 氏
(日本女子大学現代女性キャリア研究所 客員研究員)
研究テーマ 夫婦の平等な関係構築と妻の就業変容との関係を動態的に探究すること。
講評

 女性の活躍が求められているとはいうものの、女性が結婚や出産後も働き続けることは容易ではない。三具氏の著書『妻の就労で夫婦関係はいかに変化するのか』(ミネルヴァ書房、2018年5月)は、なぜ多くの女性は結婚や出産で職場を去らなければならなかったのか、そのことによって夫婦関係にどのような変化がもたらされるのか、さらには、女性の再就職は夫婦関係をどのように変質させるのかということを、社会学の理論を使って分析したものである。

 三具氏は「性役割を受け入れることと夫婦の対等な関係は同時に成り立たない」という近代家族が内包する矛盾に対して、女性の再就職は矛盾に満ちた夫婦関係に対する女性の異議申し立てであり、稼得力をつけることで対等な関係を模索する女性たちの挑戦であると捉える。そして、量と質の両方の分析方法を用いて、その仮説を検証している。

 本研究は、今注目されている女性の学び直しと再就職に、新しい意味と解釈を加えたという点で高く評価されるべき研究書で、男女共同参画の視点から顕彰にふさわしいと判断した。

          

第14回 選考委員


  1. 蟻川 芳子  〔学校法人日本女子大学理事長、一般社団法人日本女子大学教育文化振興桜楓会理事長、日本女子大学名誉教授〕
  2. 出渕 敬子  〔WILPF(婦人国際平和自由連盟)日本支部会長、日本女子大学名誉教授〕
  3. 倉田 宏子  〔城西国際大学客員教授、日本女子大学名誉教授〕
  4. 佐々井 啓  〔国際家政学会(IFHE)会員、アジア地区家政学会(ARAHE)会長、日本女子大学名誉教授〕
  5. 大沢 真知子 〔日本女子大学 現代女性キャリア研究所所長〕

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