ライフスタイルが多様化するなか重要なのは居住者の生活に基づく住居学的アプローチ ライフスタイルが多様化するなか重要なのは居住者の生活に基づく住居学的アプローチ

生活芸術学科(住居学)

浅見美穂特任教授

人々のライフスタイルが多様化する今日、どのような暮らし方、生き方を選択するかは一人ひとり異なり、それによって求められる住環境も多様なものになっています。そこで今注目されているのが「住居学」という分野です。建築学と比べると、住居学という言葉はあまり馴染みがないかもしれませんが、建築に携わる方からの関心も高まっています。

住宅を設計するのは建築士ですが、建築士は建物の構造や材料、設備に関する知識や技術的スキルのほか、実際にそこに住む「人の生活」についても理解しなければなりません。住居の使われ方や、暮らし方、さらに家族や周辺地域の歴史や将来予測などから、そこに住まう人のニーズを汲み取って建物に反映していきます。つまり、文学的、社会的な視点を求められるのがこれからの建築士の職能だと考えています。家族のストーリーをヒアリングしてから仕事に取り掛かる建築士も多いと思います。

住居学の授業科目は、住生活系、計画系、設計・デザイン系、構造・生産系の4分野で構成され、それぞれが奥深い学習意欲を刺激する内容となっています。そうした学びのゴールの一つとして、必要な科目を履修し卒業することで、木造建築士および二級建築士の受験資格を得ることができます。

ただ、必ずしも建築士を目指すために入学する方ばかりではありません。インテリアに興味があってという方や、すでに建築士の資格をお持ちの方もいらしています。「本学で住居学を体系的に学んだことが仕事にも活かせている」と話す方がいらっしゃったのが印象的でした。

生活芸術学科は、住居学のほか、被服学の必修科目も履修する必要があるため、少々負担と感じられるかもしれません。しかし実際に学生の皆さんからは、「住まい」は被服や食生活、育児や介護などを包括した場ですから、施主のニーズを引き出し、計画する際にも、これらの知識は役に立つため、「学んだことに無駄なものはない」という声を聞きます。

日常生活の基盤である住居の重要性に気づいて入学していただき、これまでの生活体験から得た見識を私たちに共有してくださるとうれしいです。

(2018年1月インタビュー)
※目白キャンパス内の写真は、成瀬記念講堂(講堂内)

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