通信教育課程のあゆみ 通信教育課程のあゆみ

通信教育課程長

定行まり子

明治時代より社会・家庭での生涯学習の担い手となり家政学を学べる日本で唯一の通信教育機関

日本で初めて、かつ4年制で唯一である家政学部通信教育課程を擁する日本女子大学の歴史は、女性に学問など必要ないと言われていた時代に、創立者である成瀬仁蔵が日本女子大学校を設立した1901年(明治34年)にまで遡ります。

当時大学校に入学される女性はごく一部に限られていましたが、「大学拡張」(University Extension)すなわち、大学教育の精神や学問知識を学内に留めることなく、社会や家庭に還元していくという成瀬の理念から、1909年に講義録「女子大学講義」を発行し、日本初の女子高等教育の通信教育として全国に学びを広げていきました。一期の申し込みが6762名で、最終的に1900人余りが卒業したと聞いています。この数字は女性の向学心がいかに高かったかを物語っています。こうした歴史を経て、戦後間もない1950年(昭和25年)には日本女子大学通信教育部が設置認可され、本格的な通信教育がスタート。1972年(昭和47年)に、現在の家政学部通信教育課程となりました。

「生活を科学する」家政学ですが、戦前の授業風景の写真を見ると、割烹着を着用して実験をしている様子が窺え、非常に科学的な視点から学問を行っていたことがわかります。日本女子大学(通学課程)に理学部が開設されて20年が経ちますが、それ以前は家政学部のなかに理科の分野が入っていました。そのため、生活の基本的な部分を科学的に行っていたという実績が現在の理学部の研究の基礎になっていると思われます。生物や物理、化学などもあり、当時から職業につながる実践的な学びを展開していました。

家政学部通信教育課程には、3つの学科があります。生活のベースとなる「衣食住」を基本とした、食物学科、生活芸術学科に加え、子どもの発達を研究対象とした児童学科です。さらに生活芸術学科は被服学と住居学を柱としています。それぞれの学科が歴史と伝統を重んじた教育に留まることなく、新たなチャレンジを始めています。児童学科では、「表現アートセラピー」という芸術療法の科目群が設置され、2018年度からは、「芸術・子ども支援」といった大学認定のプログラムがスタート。食物学科では、2017年度からフードスペシャリストの資格取得のためのカリキュラムを導入。さらに、生活芸術学科では、繊維製品品質管理士(TES)の養成に資するためにTES科目の充実を図っています。また、住居分野では、建築系のカリキュラムの充実を図り、二級建築士・木造建築士受験資格取得ができるようになりました。

このように歴史と実績ある本学の通信教育課程は、テキスト学習と面接授業(スクーリング)で、人生100年時代における生涯学習や個々のニーズに応じた知識向上や資格取得をサポートします。

(2018年1月インタビュー)
※目白キャンパス内の写真は、成瀬記念館(館内)

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