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高校生活レポート




卒業式(2019/3/15)



やわらかな春の日差しが降り注ぐ3月15日(金)、高等学校第71回生が卒業の日を迎えました。卒業生374名はいつもより少し早く登校し、前日のうちに2年生が手作りしてくれたコサージュを胸に付けて卒業式に臨みました。式では副校長先生から学事報告、校長先生から卒業証書および告辞、理事長先生およびPTA会長様からご祝辞をいただきました。午後はPTA学級部の皆様の進行で謝恩会が催され、同窓会組織である若葉会からの記念品を受け取りました。様々な人たちから卒業を祝福され、これまで多くの人たちに支えられてきたことを思い返し、感謝の気持ちを持って高校生活最後の1日を過ごすことができました。3年間あらゆる行事で晴天に恵まれた第71回生は、晴れやかな笑顔とともに学び舎を後にしました。



 

 



生徒の言葉:卒業生代表・自治委員長による答辞

思い切り深呼吸をすると、澄んだ新芽の香る春。通り過ぎる風に心地よい冷たさを感じる冬。可愛らしい花達が一斉に顔を出す春。冬の面影が春の景色に入り混じるこの時期、私達は今、「季節のはざま」を抜けようとしています。そして、私達高校生もまた、一抹の不安とほのかな期待を抱きながら、「大人と子供のはざま」に立っています。日ごとに春めいてくるにつれ、私達もまた、新たな始まりの日へ、また一日、カウントダウンが進んで行きます。

今までの高校生活を振り返ると、走馬灯のようにたくさんの思い出が浮かび、この3年間の変化を強く実感します。学年を越えて同じ色のハチマキに思いを込めた運動会、おもてなしの心を持って努力や準備を重ねたもみじ祭、そして普段のクラブや九部、委員会での活動。誰にでも必ず、熱意を注ぐ「何か」があって、「何に」「どれ程」夢中になるのかは人それぞれです。この学校は、自分にとっての当たり前が、誰かにとっては当たり前ではないことを経験として学び、自分の「当たり前」を見直していくことが出来る、温かな包容力のある場所でした。そしてこの、「一人一人が違いを認め合える学校」であることこそが、「自治が盛んな学校」と言われる本校の根本であるのだと思います。

学年が上がるにつれて、周囲の環境も自分の意識も変化し、鏡に映る自分の姿がどんどん変化して見えたことを覚えています。もちろん、3年間変わらなかった景色もあります。校舎が広すぎて、グラウンドで体育をした後の移動教室は、急いで校内を移動したこと。定期テスト最終日、テストが終わると、どの教室も賑やかだったこと。教室に入れば、いつだってクラスメイトがいたこと。当たり前と呼ぶのも戸惑う程に、代わり映えないと思っていた毎日の一部であったとしても、その一瞬一瞬が、今ではすべて、懐かしい、思い出をくれる記憶です。

この3年間を一言で表現すると、私にとっては、「夢を追いかけた3年間」でした。「夢」と言っても遠い未来の話ではありません。自分のしたいことを全て、ただ全力でやり抜いた3年間でした。1年半前の私が思い描いていた私と、今の私とは、全く同じ姿ではありません。しかし、自分のしたいことに優劣をつけ、どれかを無理に切り捨てる道ではなく、全てに力を注ぐ道を選択できたことに、満足し、後悔はありません。そして、私のしたいことを理解し、後押ししてくれた両親に、心から感謝しています。

わずか3年でした。しかし、「大人と子供のはざまの時間」の終わりに相応しい、18年間で最も色濃い3年間でした。美しく輝いている思い出だけではありません。過ぎていった時間は取り戻せなくて、いつのまにか失ったものや、離れていった縁は私の記憶にだけ残っています。しかし、多くに悩み、葛藤し、乗り越え続けた、その経験の全てが、今の私に繋がっています。これから、道に迷い、あるいは立ち止まるようなことがあっても、未熟ながらも懸命に過ごした今までの日々は、きっと未来を切り開き、解決の糸口となってくれると信じています。そして、この3年間で得たものは、知識と経験だけではありません。大切な友人達や自治会総務のみんな出会えたこと、いつも心の支えでいてくれた親友達と絆を深められたこと。3年間毎日が特別でした。ありふれたような何気ない日も、嬉しいことがあった日も、落ち込んでいた日も、特別ではない、いつも通りの毎日を、特別にしてくれる皆と出会えて、本当に幸せでした。今までありがとう。幸せの意味は、取り巻く環境ではなくて、自分の心の持ち方にあると思います。だから私は、心から満足し、幸せな高校生活だったと、胸を張って言うことが出来ます。この3年間を絶対に忘れません。

在校生の皆さん、高校生活は本当に長いようでとても短いです。何気なく過ごすと、さらにあっというまです。私が卒業生を代表して、皆さんよりも、ほんの少しだけ、経験を重ねた上級生として伝えたいことは、ただ一つです。同学年の友達は勿論、学年を越えた「対話」を大切にしてください。想いは言葉にしないと伝わりません。誰かに思いを汲んでもらうのを待つのではなく、自分から正直に伝えて、周囲の人が言葉にしやすい環境を作ってあげて下さい。そして、「去年の上級生がしていたから」「今までしてきたことだから。」こうして「去年」に囚われすぎないで下さい。社会生活において「伝統を守る」ことは、必ずしも「全く同じままを引き継いでいく」ことではないと私は思います。伝統の精神を引き継ぎながら、より良いものへと変化させていく、大変さと面白みと達成感を、皆さんに知って欲しいです。私達卒業生が、皆さんにかっこいい後ろ姿を見せられていたと思いません。それでも、不足していることばかりだった私達を、皆さんが信じてついてきてくれたことが、私達にとって力となり支えとなっていたこと、知っていて欲しいです。

そして、先生方、職員の皆様。私達の高校生活を温かく見守って下さり、本当にありがとうございました。私達生徒に、答えだけを教えるのではなく、常に自ら考える機会を下さり、一人一人の多様な価値観を理解しようと寄り添って下さったこと、心から感謝しております。

桜の花が彩やかに咲き乱れるまで、あと少しです。「季節のはざま」の終わりはすぐそこまで近づいています。さあ、もうすぐ、新たな始まりの日です。見知らぬことばかりで最初は戸惑うこともあるでしょう。でも、私達にはこの3年間の経験があります。この場所で出会った、大切な友人達がいます。これからどんなことがあっても、きっと乗り越えて行ける。きっと大丈夫。きっと上手くいく。

「はざまの時間」を終える覚悟はできています。私達らしくまた一日を、着実に歩み続けます。