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2024/07/06

【6年生】道徳 「してほしい変換(ペップトーク)」

今回のペップトーク(註)の授業は、相手にして欲しいことを否定ではなく、相手が気持ち良く受け入れられる言葉で伝えることがテーマです。脳科学の研究から、言葉を聞くと人間の脳はそれに反応して即座にイメージを検索するとのこと。「失敗しないで!」と言われると「失敗」という言葉から頭の中は失敗したときの暗いイメージが湧き上がります(逆に「成功」という言葉であれば頭の中には明るいイメージが出てきます)。例えば、「走らないで!」という「してほしくないこと+否定」の言葉を「落ち着いて歩こう」という「…してほしい」言葉に変換することでスムーズなコミュニケーションが可能になってきます。

そこまで理解したところで、いよいよアクティビティ「どんな声をかけよう」の開始です。グループごとに2枚のカードを引いていきました。1枚には状況「○○している」、もう1枚には相手「誰々に」が書いてあります。そのとき相手にどんな声をかけたら良いか、グループで話し合うという課題です。
話し合いの際は、安心して自由な発言が出来るように、次のような「グランドルール」が決められています。

・発言には拍手を(感謝の気持ち)
・相手の発言を尊重する(否定しない)
・Yes, and(まず受け入れる、それから提案する)
どのグループも真剣に、しかし楽しそうに話し合っていました。
子どもたちからは、例えば…
<ずっとブランコを使っていて次の人に譲らない 友達に>
→「ブランコよりも楽しい遊具があるかもしれないよ!自分の世界を広げよう!」
<広がって歩いて道をふさいでいる スネ夫に>
→「フォーメーションチェーンジ!」

といったアイデアが出てきました。
最後に授業の感想をiPadで書いて提出しました。
・みんなと考えてみて、いつも全然こんなに気を使っていないな、と思いました。伝えたいことを少しでもやさしい言葉に変えてみたら、自分も相手もお互いに良い気持ちでいられると思います。

・「あせらないで」など、一見いい声がけに見えるものが否定だったりして、私は日頃、否定の声がけをいい声がけとして使っているのだと気づきました。
・相手の気持ちや状況を考える(思いやり)、ということは声がけに関わらず大切なことだと思うので、今回を機に、日頃思いやりを意識していこうと思いました。
・結構ありそうなシュチュエーションがあり、わかりやすかった。もし、本当にこんな感じになったら、実践してみたい。ペップトークの授業はすごく楽しい。
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(註)ペップトークは、もともとスポーツの試合前に指導者が、選手を鼓舞し全力を出せるように行う、激励のショートスピーチです。そこから発展させて、シンプルでポジティブな言葉を使ったコミュニケーション・スキルとして活用されています。このクラスの担任の先生は日本ペップトーク普及協会認定講師です。