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授賞対象



特定非営利活動法人 日本有機農業研究会



授賞理由



地球環境の持続可能性を損なわずに人々の暮らしを豊かにする有機農業の普及に貢献した活動に対して



 

 戦後、急速に進んだ農業の近代化は農薬と化学肥料の多使用を前提に成り立つものであった。安全性は確保されているという政府の指導のもとに毒性の強い農薬を使用して農民が命を落としたり癌や鬱になったりという急性毒性の被害が数多くあった。もちろん消費者側にも多くの被害が出ていたが、多くは因果関係があいまいなままにされた。
 農薬の危険性にいち早く気づいた医師・医学者や農学者および協同組合関係者によって1971年に有機農業研究会(1976年に日本有機農業研究会と改名)が設立された。それ以降日本における有機農業の普及に力を注いで今日に至っている。
 日本有機農業研究会では会の目的を次のように定めている。
「環境破壊を伴わず地力を維持培養しつつ、健康的で味の良い食物を生産する方法を探求し、その確立に資するとともに、食生活をはじめとする生活全般の改善を図り、地球上の生物が永続的に共生できる環境を保全すること」
 地球環境破壊が進み生物多様性も危機に瀕している現代社会にあって有機農業の重要性は増している。EUでは近年特に有機農業に力を入れている国が多い。それら有機農業先進国に比べると日本はかなり遅れていると言える。そのような状況下であるからこそ日本有機農業研究会の今後の活躍はきわめて重要である。
 有機農業は農業に従事する者の安全を守り、消費者の食生活の安全を守り、環境保全や持続可能性の観点から人を含めたすべての生き物の命の安全を守るという意味を持っている。その有機農業の普及に力を入れている日本有機農業研究会は今年度の安全をテーマとする家政学部賞の受賞にはきわめてふさわしいと考えられる。

 以上の理由により家政学部賞を授与する。