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授賞対象



坂上和子氏(認定特定非営利活動法人「病気の子ども支援ネット 遊びのボランティア」代表)



授賞理由



入院児のための遊びのボランティア25年間の活動に対して



 入院中の子どもは、家族や友だちと離れ、つらい治療や検査に向き合わなければならず、そこにはわくわくするような遊びの時間はない。付き添いの親は、子どもが寝るまで病院を離れられず、食事も入浴もままならず不安や疲労を募らせている。
坂上氏は、こうした病気の子どもたちに寄り添い、歌を歌ったり、絵本を読んだり、おもちゃで遊んだりして子どもの要求に応える一方で、親は、わずかでも休息の時間をもっていただけるようにと遊びのボランティアの活動を始めた。
 最初は、新宿区の訪問保育士として病院を回っていたが、対象が区民の子どもに限られるなか、訪問先の病院での活動を知った区民外の保護者から多くの要望が寄せられたため、病院側とも話し合い、1991年に保育士ら6人で現在の国立国際医療センターの小児病棟に遊びのボランティア(通称ガラガラドン)を立ち上げた。2006年にはNPO法人(2013年に認定NPO法人)「病気の子ども支援ネット 遊びのボランティア」となった。2012年には、より質の高いボランティア活動の普及を目指して同様のボランティア団体をつなぐ全国小児病棟遊びのボランティアネットワークを組織し、共同代表を務めている。
 現在は、病院という環境で、事故や感染を防ぐための的確な状況判断やスキルが求められるなか、毎週土曜日の活動に加えて、長期入院児には平日の個室訪問、在宅訪問を行うとともに、ボランティアメンバーの育成、また子どもの年齢や病状に合った人材や遊びのコーディネートを行い、これまで無事故で活動を行ってきている。 
遊びは、子どもの健全な発達には欠かせない。数多くの事例から、子どもたちが厳しい治療を受けていても、遊びを通して、驚くような変化が生まれることをガラガラドンの活動が明らかにしている。また、「病気の子どもこそ遊びを」、「病気になってもいっぱい遊びたい」という子どもの声を代弁し、出版、学会発表、記念フォーラムやシンポジウムの開催、メディアへの情報発信等の社会活動を地道に続けてきた。これらの功績は、非常に高く評価されている。
さらに、約20年以上前から日本女子大学の児童学科の学生たちが、フィールドワークの授業やボランティアの場として、坂上氏のもとで入院児とのふれあいを体験し、病気をもつ子どもやその家族の理解をはじめ、さまざまなことを学ぶ貴重な機会となっている。


 以上の理由により家政学部賞を授与する。