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授賞対象



生活クラブ「本選びの会」



授賞理由



市民自身による豊かで自立的な読書文化を創造するための活動に対して



 生活クラブは、毎月『本の花束』という図書共同購入カタログを発行して、推薦図書を定価の1割引きで共同購入できる仕組みを作っている。推薦図書の選定をしているのが「本選びの会」で、公募によって選ばれた32名の組合員から構成され、市民自身による豊かで自立(自律)的な読書文化を創造していくことを目的に選書は行われている。

 「本選びの会」は毎月開催され、合評を重ねて毎月約50点の書籍が選ばれる。選ばれた書籍は『本の花束』で紹介され、年間で約25万部の共同購入が行われている。最終的に『本の花束』に推薦図書として選ばれるには数か月から1年、場合によっては2年という長い時間がかかり、一冊の本を最低でも3人の人が読み議論を重ねて慎重に選定されている。
 「本選びの会」は4つのグループから構成され、『本の花束』では「暮らしをひらく」、「こどもたちのために」、「<いま>を考える」、「よみものの小道」の4つのページで各グループが選んだ書籍が紹介され、バラエティ豊かな紙面となっている。出版業界の注目度が高いため、献本も数多く届くが、原則的にこの32名が見つけてきた本の中から選ぶことになっており、その選び方に関して生活クラブ本部が介入するといったことは決してない。むしろ32人の「本選びの会」のメンバーの自主的な選定が行われることによって、読書文化の多様性が促進されている。
 今でこそアマゾン等のインターネットで本の注文ができるが、生活クラブが図書の共同購入をスタートさせた1984年には、本屋から遠く離れた所に住む地方在住者にとっては読みたい本を購入すること自体難しく、そのような人たちに読書のチャンスを提供するといった重要な役割を果たしていた。また、現在でも、出版社や生活クラブ本部等からの圧力や影響等を受けずに「本選びの会」が主体的に推薦図書の選定を行い、書評を書き、組合員の共同購入を促していることから、「本選びの会」は市民自身による豊かで自立的な読書文化の創造という所期の目的を十分に果たしていると考えられる。


 以上の理由により家政学部賞を授与する。