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授賞対象



全盲視覚障害者用衣服タグ「いろポチ」開発グループ

佐川賢(日本女子大学非常勤講師、産業技術総合研究所名誉リサーチャー)
大場菜摘(一般財団法人 カケンテストセンター東京事業所)
奥寺沙織(東京都立片倉高等学校,教諭)
中島優子(東京家政大学大学院人間生活学総合研究科)
芦澤昌子(元日本女子大学特任教授)



授賞理由



全盲視覚障害者に衣服の色を伝える触覚タグの開発に対して



 「いろポチ」は指で触ることによって衣服の色彩を簡単に伝えることができるタグである。全盲視覚障害者、特に女性の全盲視覚障害者には、自分の着用する衣服の色を自分で知り、自ら衣服の色をコーディネートしたいという強い要望がある。こうした要望をかなえる従来の手段は日常生活の中で簡単には使えないため、現状では購入時や着用時に販売員あるいは家族に衣服の色を尋ねるということが一般的であった。このような日頃の全盲視覚障害者の要望に応えるため、触覚タグ「いろポチ」が開発された。
 この「いろポチ」では赤、橙、黄、緑などの基本10色に対応する触覚凸点を、色の基本特性である色相環にもとづいて円環状に配置し、伝えたい色をやや大きな凸点や中抜きの点で表している。この斬新なアイデアは、全盲者の色認識が色相環の色配列に沿っていることを卒業研究の中で実験的に見出した結果にもとづいている。しかも、このタグは簡単かつ安価に製造できる。このような「いろポチ」によって、衣服のコーディネートに欠かせない色彩の豊かさを視覚障害者も容易に楽しむことができるため、「いろポチ」の普及は衣服のユニバーサルデザインに大きな影響を与えると考えられる。
 グループ代表の佐川賢氏は、長年にわたり視覚や色彩、ユニバーサルデザインの研究を継続し、国内外でこの分野の発展に尽くしている。視覚、色彩、ユニバーサルデザインの研究を結集した基礎研究に始まり製造・販売にまで至った「いろポチ」の開発は、被服学、家政学の発展や魅力向上だけでなく、衣服や色彩を通した視覚障害者の生活の質の向上にも著しく貢献することから、その功績は非常に高く評価できる。


 以上の理由により家政学部賞を授与する。