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「2012夏タグマック研究会」に参加して

人間生活学研究科 人間発達学専攻
味府美香

 1日目(「音楽づくりワークショップ」)の熱気も冷めぬまま,2日目の熱い夏の「タグマック研究会」は,野本由紀夫氏による「標題音楽再考~授業で使えない標題音楽のワケ~」と,ドキッとするようなテーマで始まりました。
 「標題音楽」について私は,物語や感情・情景といった音楽以外のものを表すものとして学んでいました。また,これまで受けてきた鑑賞の授業は,その多くが曲のイメージや情景などを思いうかべて音楽を聴き,それを文章や絵で表すといった活動でした。そして,こうした活動に「標題音楽」が関わっているのではないかと思っていました。
 しかし,野本氏は,リストに代表される「『標題音楽』は何かの中身を表現しようとしているよりも,『音楽経過の聴取』に目的がある」こと,そして,その「『音楽経過』とは『音楽の構造』である」と,述べられました。つまり,「標題音楽」は音楽以外のイメージなどを表しているのではなく,音楽自体を知理解するための手がかりとして,「標題」を曲ができた後に付けたと言うのです。私は自分がこれまで思ってきたことと全く逆であることを知り,ショックを受けました。
 今でも学校の音楽の授業では,音楽以外のもの,つまりイメージや物語を手掛かりにしながら音楽を聴くという活動が多く行われています。そんな中,音楽以外のものを手掛かりにしない鑑賞教育がどのような形で成立しうるのか,大きな問題を投げかける講演だったのではないかと思います。
約30人の参加者の多くは院生や現場の先生方でしたが,音楽教育の若手研究者たちの顔も見ることができました。ピアノ演奏や会場との質疑応答も交えながらの3時間を超えた講演に,参加者は白熱した時間を過ごしました。

リストの作曲技法について,テレビでもおなじみの熱弁を・・・・

ピアノを弾きつつ・・・