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国際音楽教育学会(ISME)参加報告

30th ISMEギリシャ大会に参加して  M1 佐藤 友美
 ギリシャで国際音楽教育学会(ISME)が2012年7月15日から5日間行われた。この学会に参加して、今まであまり意識したことのなかった人種、民族、アイデンティティの問題を考えることの重要性を知った。例えば、スイスでは、国のアイデンティティを確立するために国家プロジェクトとして子ども達の音楽活動を推奨しているという発表があった。初めは、国家が音楽活動を支援しているという事実に驚くばかりだった。しかし、スイスに公用語が4種類あると知ってからは、その活動の意味をより深く考えなければならないと気持ちを新たにした。民族の問題は日本にいると意識することがあまりないけれど、音楽が地理的、歴史的、文化的な背景と密接な関わりを持っているからには避けて通れない問題である。発表を聞いて強く感じたのは、個々の国がそれぞれに問題を抱えながらも、現状、事実を伝え、共有するために学会に参加しているということだ。世界に目を向ける機会を得られたからこそ知ることができた事実がたくさんあって、国際的な学会に参加することの意義を感じた。

 私自身が関わったワークショップでは、スティーヴ・ライヒの非西洋的な音楽からくるズレをテーマに参加者と一緒に音楽づくりをした。私はアシスタントとしてデモンストレーションや参加者のサポートをした。積極的かつ協力的な参加者に支えられ、ワークショップは終始楽しく、充実した活動になった。このワークショップを手伝えたことは、西洋的な音楽に親しんできた私にとって試練である一方、音楽の世界観を広げる重要な経験になった。

 私は、ISMEに参加することで音楽教育を通じて世界を見る機会を得た。それだけに留まらず、様々な国の人と会話をしたり、音楽を実際に聞いたりしたことは私にとって貴重な財産となった。このような経験ができたのは、大学の特別重点化資金による援助を受けられたからである。そのことに感謝しつつ、これからも研究を進めていきたい。

たくさんの参加者に囲まれて・・・(WS=味府美香・日本女子大人間生活学研究科D3)

いろんな国の人たちと竹の楽器でアンサンブル(左から2人目=筆者)