身近な衣料品がどこから来るのかを知り快適な暮らしや環境を科学的に見つめる 身近な衣料品がどこから来るのかを知り快適な暮らしや環境を科学的に見つめる

生活芸術学科(被服学)

工藤千草特任教授

毎日身に付ける衣料品について、その存在が身近過ぎるためか、普段それがどこでどのように、何の素材から作られているか、気に留める方は少ないかもしれません。実は、現在日本で流通している衣料品の97.2パーセント(2015年衣料の輸入浸透率)が東南アジアや中国など、海外から輸入されたものです。日本の技術を取り入れて現地の企業が一貫して生産するケースもあれば、日本の企業が現地に進出して、生産管理を行う場合もあります。いずれの場合でも、日本の消費者に安全な商品を届けるため、衣料の品質を見極める知識や目が必要になってきます。これらは、かつて、品質管理専門の人に任されていましたが、グローバル化に伴い、現地の文化や事情を踏まえて多面的に管理する必要が生じ、今や営業担当者や販売員など、繊維やファッション業界に携わる人全般に求められるようになりました。このような背景により、「繊維製品品質管理士(TES)」の資格が必携となっています。聞き慣れない資格かもしれませんが、身近なところでは、クリーニング店の経営者にも重要な資格です。お客さまから預かった大切な衣料品の素材の基礎知識がなければならないからです。

生活芸術学科の被服学では、衣素材系、衣造形系、服飾・文化系、流通・消費系の4分野にわたる科目群を設置して、快適な暮らしと環境を目的に文化的・科学的視点で学びますが、その中では、「繊維製品品質管理士(TES)」の資格取得のサポートもしています。資格試験に合格するだけではなく、実際に仕事に活かすためには、知識がきちんと身に付いているかということが大切です。そのため、資格取得後に本学科に入学して学び続ける方もいらっしゃいます。かつては、専門学校などで得た知識でも十分でしたが、法令・法規を遵守しているか、また、環境に配慮しているかといった点について以前にも増して深く幅広い知識が必要になってきていますので、大学で教養とともに専門分野の基礎的なことを体系的に学ぶことができる本学の通信教育課程は、繊維やファッション業界に携わる人にとっても、大変貴重な学びの場であると自負しています。

最近はフェアトレードやエシカルファッションなど衣料品においても、生産者の背景に目を向けようという、過去にはあまり問題視されなかった社会問題にも関心が集まり、メーカーなどが熱心にそうした取り組みを行うケースも増えてきました。私たち消費者にもこのような視点が求められています。

被服学では、実験や実習などを数多く行います。テキスト学習だけでなく実践を通して学ぶ中から、日常の衣生活の場面でも快適な暮らしや環境につながる視点を養っていただきたいと思います。

(2018年1月インタビュー)
※目白キャンパス内の写真は、八十年館(左)と百年館高層棟

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