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2024/04/27

  • 校長より

同志社大学大学院教授秋林こずえ先生来校 ~77回生「しだれ梅」植樹式・創立記念式を行いました~

  • 創立記念式 講演会
  • WILPF 元国際会長 秋林こずえ先生
  • 校長が新任の頃の高校生
  • 第77回生 植樹式
  • 全校会 総務より基本方針の発表
  • 歓迎会 ダンス

今から123年前、20世紀幕開けの1901年4月20日、日本女子大学校が開校しました。創立者成瀬仁蔵の女子教育の根底には平和と人権を重視する人間教育があります。彼の女子大学創立構想は「女性が個の立場で、また女性団体を通して、世界平和のために活動すること」を基本としていたのです。

世界最初の女性の国際平和団体である「婦人国際平和自由連盟(Women’s International League for Peace and Freedom、略称WILPF)」は第一次世界大戦中(1915年)、戦争中止と平和の確立を希求して欧米諸国の女性達がオランダに集まり結成されました。当時、WILPF事務局より日本の女性への働きかけがあり、創立者成瀬仁蔵をはじめ女子高等教育指導者に書簡が送られたようです。これに対して前向きに行動した唯一の日本人が成瀬であったと言われています。第二次世界大戦後、日本支部を再興した上代タノ(日本女子大学第6代学長)は創立者成瀬仁蔵の唱えた平和な世界の構築へ向けて熱心に活動しました。現在もWILPF日本支部は目白の本学キャンパス内に拠点を置き、多くの卒業生が国際平和実現のために世界の女性達と協働するという成瀬の精神を引き継いで活躍しています。

今年度創立記念式の講演会にご登壇いただいた秋林こずえ先生は、2015年から2018年までWILPFの国際会長を務めました。本校卒業生で、現在同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授としてご活躍中です。同志社大学のある京都から西生田キャンパスまで来ていただくのは困難かと思いながらも是非にとご連絡したところ、「後輩と母校のためならば!」とご快諾くださいました。「国際女性平和運動の実践と研究 —— 世界のフェミニストと繋がる」という演題で、「フェミニスト平和教育研究」をご専門とされている立場から、ジェンダー平等の達成と平和の実現を目指すために何をどう学ぶか、世界各地の軍事基地が地域に与える影響も示しつつ、様々な角度から問題を投げかけてくださいました。生徒達は、誰もが安心して安全に暮らすことができる社会を作っていくために、学び、視野を広げ、そして行動する重要性を認識したことと思います。

来春卒業を迎える3年生(77回生)は、創立記念式の前に晴天の中高グラウンドで植樹式を行いました。自治会園芸部の生徒達が中心となって準備を重ね、3年生全員の投票で選んだ記念樹は「しだれ梅」—— この若苗が77回生と同じように成長して花を咲かせ実をつける日が楽しみです。

始業式・入学式から10日以上が過ぎ、新年度自治会の基本方針が示されて皆で理解を深めていく全校会と、歌や踊り、演奏、ミュージカル等が披露されて大いに盛り上がった新入生歓迎会も行われましした。新緑の5月に向かって、生徒達が「自治と自由の花咲かす」(本校『学生歌』の一節)生田の森を創り上げていくことを期待し応援しています。

校長 薄 由美