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「入学をお祝いする会」を開催しました
~創立者成瀬仁蔵生誕記念日(6月23日)にあたって~ 
<校長より5>(2020/6/23)



 

 



 満開の桜に代わって色鮮やかな紫陽花が咲き誇る本日、1年生378名の皆さんの「入学をお祝いする会」をようやく開催することができました。4月・5月の休校期間中、manaba(インターネットを利用した学習支援システム)での遠隔授業や自治活動の紹介、Microsoft Teamsを利用した終礼(ショートホームルーム)を通して、本校の生徒としての自覚を少しずつ育んできた1年生です。6月4日、高校生になって初めて登校し、その後、分散登校・時差通学・短縮授業の中、学校での生活に少しずつ馴染んできました。厳粛な中にも温かい雰囲気が漂う大ホールの式典の場で、初めて一堂に会した1年生は朗らかで穏やかな表情でした。
 6月23日 ―― 創立者成瀬仁蔵の生誕記念日という学園にとって大切な日に、「入学をお祝いする会」を挙行でき、喜びもひとしおです。今から162年前の1858年6月23日、成瀬仁蔵は周防国、現在の山口県山口市吉敷に生まれました。幕末から明治維新への動乱を見つめ、己の役割を模索し続けた成瀬は青年期に、キリスト教牧師となり宣教活動を展開していきました。アメリカ留学後、女子高等教育の先駆者として日本初の女子総合高等教育機関である日本女子大学校を開校し、斬新な一貫教育を展開した壮年期を経て、日露戦争後の晩年、日本を含む帝国主義列強の植民地再分割をめぐる対立に関して国際平和への提言を発表するなど、平和への思いを明らかにしていきました。奇しくも6月23日は「慰霊の日」 ―― 75年前の沖縄での3カ月にわたる激しい地上戦の犠牲者を悼み、恒久平和を願う祈りの日でもあります。平和思想を構築した創立者の学校に学ぶ者として、6月23日を忘れることなく、その思いを受け継いでいきたいと思います。
 例年同様、沢山の夢や希望を抱いている1年生は、現在の社会の変化を目の当たりにし、当たり前の日常とは何か、戸惑いつつも真剣に自問しているように見受けられます。事態収束に向けての確実な手立てが見つからず、はっきりした展望が見えない時こそ、自由闊達な議論ができる環境に身を置き、自ら考えて行動する ―― 本校の教育方針「自念自動」の理念が活かされると信じます。
 さあ、これから、本校での学習活動や自治活動を通して、新しい友人を作り、共に考え、時に議論していきましょう。その中で、知力を養い、感性を磨いてほしいと願っています。オンラインでは叶わなかった「対面」で人と接する日々が戻り、生徒達は様々な活動を通して、相手との信頼関係や共感を醸成していくことでしょう。一人ひとりが個性豊かに、伸び伸びと成長していくことを楽しみにしています。

校長 薄 由美