みんなの様子

2024/03/20

【5年総合】9月 しくみデザイン中村俊介さん講演

昨年度の5年(114回生)総合は「子どもたちに知見を増やし、視野を広げてほしい」という願いを込めて、学外の方々の講演やワークショップを実施しました。
以前紹介した1学期の様子に続き、2学期、3学期に取り組んだ講座を7回に渡って紹介いたします。

9月、2学期最初の総合の授業は株式会社しくみデザインの代表取締役、中村俊介さんにご講演いただきました。しくみデザインは福岡県福岡市博多区にあります。テクノロジーとデザインを駆使して楽しい体験を創り出し、『しくみでみんなを笑顔にする』クリエイティブカンパニーです。代表の中村さんは芸術工学博士の学位を持ち、(本校もプログラミングの授業で使用している)アプリ「Springin’」の開発者で、Springin’で福岡県文化賞を受賞されており、メディア芸術分野の向上と発展に大きく寄与されている方です。この日は中村さんのクリエイターとしての半生や、プログラミング‘でどんなことができるのかなどをお話しいただきました。
まずはしくみデザインが手がけてきた1,500以上の体感コンテンツの一部を紹介されました。甲子園の観客がみんなタイガーになってしまう映像や、ぐでたま、ワンピース、チコちゃんなどのアトラクションの開発、SMAPのコンサートのリアルタイム映像演出など驚きの数々。中には「これ、見たことがある!」と喜ぶ子もいました。中村さん曰く「すごいは一度だけ、楽しいは何度でも」。すごいのは作った人だけど、楽しいのはみんな。楽しくて何度でもやりたくなることをどうしたらできるかを考えるとのことでした。

また、中村さんは“楽器をみんなの前で演奏したい“という夢をもたれていました。でも、弾けない。でも、練習はしたくない。ならば練習が必要ない楽器を作ってしまおうと考えて開発したのがAR楽器 KAGURAです。このKAGURAは世界コンテストでグランプリも受賞する作品となり、海外でライブ演奏をしたとのこと。この経験から中村さんは次のように語られました。「夢を叶える一番の近道は自らその道を作り出すことで、プログラミングがその方法になる。でもプログラミングって難しい。ならばプログラミングを100倍楽しく簡単にできるようにしよう。」そう考えて開発されたのがSpringin’でした。中村さんは自分が活躍できた、認められたという嬉しい体験の積み重ねが今の自分につながっているとも話されました。そこで紹介されたSpringin’で作られた数々の作品にプログラミングの楽しさと可能性を感じました。
講演の最後には、KAGURAを各クラスから1名ずつ体験し、奏でられた音楽をみんなで楽しみました。

児童のふり返り(印象に残ったこと、そこから学んだこと)からいくつか紹介します。
・「楽しさ」が世の中を変えたり、動かしたりする力になっている! 楽しむことを忘れない。勉強だって自分の知らないことを学ぶ機会になっている。
・プログラミングを始めたきっかけがコンプレックスから始まったということ。私にはできないことが多いけれど、自分にもできることを探していこうと思った。
・自分は悪くない! 面倒くさい楽器が悪いんだ! という考え方が新しいと思いました。面倒くさくない方法を考えるための創造性や、ChatGPTなどのAIを使いこなす力が必要になっていることを改めて感じました。
・「プログラミングは魔法」とおっしゃっていたこと。私も自分だけの魔法を見つけて大好きなことをして輝くヒーローになりたい。誰かが作り出した道を追うだけじゃなく、自分で新しい道を切り開いていこともできるということを学びました。